LSC関西 第九を歌おう会 第25回 サントリー1万人の第九で熱演!!

歓喜の笑み 左より 井藤友子  岩田勝弘  井藤正治  須賀敬三  正木伸治  岩田優子  天野嘉太郎

                         日時 : 平成19年12月2日(日)15時〜17時40分
                           場所 : 大阪城ホール

 ロングステイクラブ関西の有志7名が集まり、記念すべく第25回サントリー1万人の第九の合唱に参加しました。とにかく感動しました。上写真の皆様の表情を見て下さい。終了して間もなく、それぞれのパートでバラバラになっていたメンバーが大阪城ホール前に集合し興奮覚めやらぬうちの記念撮影です。
 外はすでに暗くなり寒い中でも全員の心は歓喜に溢れ寒さなど全部吹っ飛んで行っているようです。

 そもそもこのサントリー1万人の第九に参加したきっかけは、井藤正治さんに呼びかけるよるもので、LSC関西支部の企画行事として皆さんにお誘いをかけたのが発端でした。もともと井藤さんは、今回を含めて19回も参加されているベテランであり、その感動を知っておられる方です。井藤さんの表現を借りると「鳥肌が立つでー」とのこと。まさに井藤さんの言葉通りであることが実証出来ました。さらに、熱気むんむんの会場のムードと相まって、総監督指揮者の佐渡裕さんの熱気躍動感溢れる指揮、25回を記念する曲である久石譲さん書き下ろしの「Orbis」(輪、環の意味)、歌唱力抜群の中島美嘉さんの歌、そして、東京のサントリーホールと回線で繋ぎ同時にスタートするという演出もなどがあり、どれを見ても感動の材料ばかりです。僕などは、もともと涙もろい方なので、中島美嘉さんとみんな一緒になって歌った「きよしこの夜」、そしてエンディングの「蛍の光」などを歌った時、何故だか判らないですが、声が震えてしまいました。何とも言えない気持ちにひたりました。こんな感じになったのは、僕だけだったのでしょうか。

 このサントリー1万人の第九の募集は、6月から始まりました。インターネットや郵便での申込です。何せ1万人の募集人員に対して、応募者は1万4千人であったとのこと。幸い抽選に漏れることなく7月に参加決定の通知が来ました。そして、練習が始まったのが9月初めからでした。合計12回の練習があり、さらに佐渡裕先生の特別レッスンがあり、全部で13回になりました。佐渡先生のレッスンを除いて、12回のうち2回以上休むと参加資格がなくなります。もちろん、僕は皆勤でした。しかし、皆勤の割には、物覚えが悪いのかなかなか曲や歌詞を覚えることが出来ず四苦八苦しました。結局、最後まで完全に覚えることが出来ずに、当日は、口パクの部分もありましたが、佐渡先生がレッスンの時に言われていたように、みんな一緒に手を取り合って、肩を組んで一つになって、歓びをみんなで共有しながら自信を持って歌いましょうとのことで、とにかく下手でも思い切り大きな声で気持ちを込めて歌うことが出来ました。(但し、覚えている部分だけですが。笑)
そういうことで、最後には誤魔化しながらですが、半分満足して歌うことが出来ました。さらに、後半分の満足を得るために来年もまた出ようと決めたわけです。しかし、感動や心の高ぶりなどの気持ち的なことについては、今回の参加は100%満足したと言えます。

プログラム

25回記念曲 久石譲作曲「Orbis」について
この曲は、第25回記念として特別に作曲された者であり、Orbisとは、輪、環の意味でみんな一つになって肩を組んで歩もうとの第九と同じ意図の曲です。演出として、今回は、コンサートのスタート時に東京サントリーホールと回線を繋ぎ、東京サントリーホールのパイプオルガンが奏でるミの音から始まり、こちらの我々合唱団が「Orbis」オルビス(輪・環)、「Laetitia」レティーツィア(歓喜)、「Anima」アーニマ(魂)という短いフレーズを歌い、そして、エンディングも同じフレーズを歌い、終わります。途中は、オーケストラの曲で、リハーサルを含めて3回しか聴いていないので、それほどの印象は無いのですが、佐渡先生曰く、8分の11拍子というややこしいリズムで難曲であると同時に、楽譜が出来上がったのが本番の10日前であったことなどオーケストラ共々大変であったと笑いながら言われていました。久石さんも当日、ゲスト出演されましたが、インタビューの時、恐縮されて苦笑いされていたのが印象的でした。とにかく、最初と最後に我々の出番があり、印象的でした。(実際、この曲を練習したのは、我々もリハーサルを含めて3回だけでしたが、もちろん音感のない僕などは、あまり歌えなかったわけですが、そんなこともあり、極力我々が歌う部分は、簡単にしたようです。)そんなことで、僕の中では、これからしばらくみんな一緒に頑張ろうという時、オルビスしようというギャグというか言葉が出てくると思います。(何せ僕は単純ですから。)もっと飛躍して、世界中が第九の精神とオルビスの精神を持ち合わせると、絶対に戦争などという醜い争いはなくなると思うのですが、どうでしょうか? そして、世界同時中継で今回のように第九が歌えたら最高なのですが。

佐渡裕先生
 とにかくダイナミックな指揮をされます。そして、もの凄い汗かきで、タクトを振りながらボトボト汗が流れ、汗が飛び散っています。凄くエネルギッシュです。また、僕ら素人にでも判りやすくタクトを振ってくれます。第九を歌っていて非常に入りにくい部分がありますが、明確にタクトと体で指示してくれます。もちろん、僕は、あんな著名な指揮者のもとで歌うのは初めてです。また、オーケストラのバックで歌うのも初めてです。初めて尽くしです。
 11月28日に佐渡先生の特別レッスンを受けたのですが、非常にざっくばらんで親しみやすい感じです。さらにユーモアもあって凄く引きつけられます。もちろん素人相手であり、1回だけのレッスンで、すべて教えられるものではないので、その辺、佐渡先生は百も承知で、とにかく気持ちで心を込めて魂を込めて、みんな一つになって、手と手を組み、肩を組み歓びを分かち合いながら歌って欲しい。そうすれば、上手下手は別にして、絶対にその気持ちが聴衆に伝わり、自分も感動して、聴衆をも感動させることが出来ると言われました。結果、自分にとっては、佐渡先生の言われた通りに歌い、言われた通りに感動することが出来ました。やっぱり日本を代表する指揮者だと感じずにはいられませんでした。あれをカリスマ性というのでしょうか。

中島美嘉さん
 今まで彼女は知っていましたが、殆ど興味がありませんでした。しかし、今回彼女の歌声を聴いて見直しました。凄く歌がうまい。第九と同じように「Anima」アーニマ(魂)がこもっています。歌った歌は、「LIFE」「THE ROSE」「きよしこの夜」の3曲でした。LIFEは、彼女のオリジナルだと思いますが、曲自体はあまりピーンと来ません。しかし、実に感情を込めて歌っており、十分その曲の持っている魂が伝わってきました。非常に難しい歌だと思います。あんな難しい曲は、カラオケでは絶対に歌うことが出来ません。2曲目のTHE ROSEは、外国の歌でメロディーは知っていました。これも彼女のソウルの響きでした。3曲目は、みんなで一緒に歌う「きよしこの夜」で、彼女の魂に響く歌声と会場全体のムードと相まって、何とも言えない感情のもとで一緒になって歌いましたが、途中のハミングの部分では、自分のハミングが震えだし、途中で声にならなくなってしまいました。いったい自分は、何に感動して、どういうことに感動して声が震えているのだろうか全く判りません。感動などというのは、言葉で表現するのは非常に難しいと思います。
 今までの中島美嘉さんのイメージとしては、もっと背の高い女性かと思っていましたが、意外に背が低いのです。テレビで見ている時は、もっと大きく見えたはずですが、遠くから見ていて155pくらいかなという感じ。それから、彼女は歌う時は、はだしになります。インタビューの時、何故はだしで歌うのかと聞かれていましたが、はだしの方が、歌う時に力が入るからとのこと。前屈みになり思い切り心の底から声を出しているような歌い方なので、それもうなずける。熱唱のあまりなのであろう、曲間に必ず水を飲み喉を湿らせていた。
 彼女は、25歳だそうである。このサントリー1万人の第九も25回目であり、それもあり出演となったのであろう。彼女は、まだまだこれからどんどん伸びていくと思うが、あのようなキャラクターなのかもしれないが、その顔から発する表情から何だかすごく暗い感じがするし、笑顔があまり見られないのが気になるところであった。とにかく、ベートーベンの第九という曲と佐渡裕先生、中島美嘉さんは、今後僕の記憶の中では、必ず結びつく人になるであろうと思います。

第2部でいよいよ第九
 第1部が終わり30分の休憩があり、いよいよ第2部がメーンイベントの第九の合唱です。僕は、第九といったらあの有名なメロディーの部分しか知らなかったのです。リハーサルの時に判ったのですが、第2部が始まり佐渡先生が出てこられ、司会もなしにいきなり演奏に入っていったのである。最初は、音合わせでもしているのかと勘違いして、横の人に聞くと第九は第4楽章まであり、有名な部分は最後の第4楽章目であるとのこと。自分自身の教養のなさに苦笑いしました。
本番でも同じで、佐渡先生が出てこられすぐに演奏が始まりました。第1楽章から第3楽章までは、知らないメロディーばかりで何だか凄く眠くなってしまいました。右隣の人などは、リハーサルの時は、いびきをかき、本番の時もこっくりこっくりしていました。そういう僕も、こっくりしかけ寸前でした。何と言いましょうか、のんびりしているというか、無責任というか、緊張感があるはずなのに眠くなりました。曲想そのものも眠くなるようなものなのかもしれません。(自分自身の解釈)そんな中で、やっぱり目立ったのが佐渡先生の指揮とその横のコンサートマスターであるバイオリンを弾く人のダイナミックな弓の動きが非常に印象的でした。気持ちのいいくらい弓を大きく動かし体を動かしていた。
 第3楽章が終わりかけ、いよいよ自分たちの出番です。緊張感が走り、眠たかったのが嘘のように体と気持ちがしゃきっとしました。そして、第4楽章開始。この時点では、我々はまだ座ったままです。みんなが一度は、聴いたことのある演奏が始まる。それから、しばらくオーケストラの演奏だけです。そして、ティンパニーの音が鳴るやいなや、いざ出陣で全員一斉に立ち上がりました。次にバリトンの独唱が始まり、しばらくして「フロイデ」「フロイデ」とラの音で我々男性が発声します。ここからいよいよ戦闘開始です。最初は、最もよく知っているメロディーの部分を歌います。滑り出し順調です。とにかく、ピアノなどの部分は、声を張り上げませんが、それ以外の部分は思い切り声を出しました。ライトがあたっているので、自分の発生と同時につばが飛び散るのが見えるほどです。とにかく夢中です。僕の席は、アリーナ席と言ってオーケストラのすぐ後ろから8列目で佐渡先生の指揮がよく見えました。指揮は判りやすく、入る部分がある程度判りましたが、やはり練習不足で自信がなく、みんなが入ってから少し遅れて入っていくような感じになっていたと思います。しかし、うまく入れた部分ももちろんあります。
 どんどん曲が進んでいきます。とにかく夢中です。もっとも有名な部分は、歌詞も音も覚えたので、ここは最も大きな声で思い切り歌いました。少々下手くそでも何せ1万人もいるのですから、目立ちません。(全員が僕のような気持ちだと曲になりませんが、参加者のうち、たぶん80%は経験者だと思いますので、心配ありません。)言葉が早い部分がどうも付いていけなかったですが、ムニャムニャと口パクでした。最後の方は、どんどん早くなってきます。しかし、同じ歌詞の繰り返しなので十分付いていけました。そして、最後の部分、「トホテル アウス エリズィーム フロイデ シェーネル ゲッテル フンケン ゲッテル フンケン」最後は、思い切り切ってフンケンと歌います。これで、我々の合唱は終了し、最後は感動的なオーケストラのエンディングです。終わると大喝采の大拍手で当然我々も指揮者とオーケストラに拍手を送る。うしろから、ブラボーという声が聞こえる。しばらく拍手は鳴りやみませんでした。それからしばらくして、場内のライトが消え「蛍の光」の合唱です。司会者のナレーションと共に流れる蛍の光のメロディーは、凄く印象的で感動的でした。ああ終わった。とにかくアップアップしながらも最後まで思い切り歌うことが出来たという気持ちと蛍の光です。第九が終わった時、鳥肌は立たなかったですが、また、それとは違う別の感動というか、心に迫るものがありました。「きよしこの夜」の時と同じく、どうもハミングの部分でさっきと同じ現象が起きました。声が震えだし、次に途切れてしまいました。到底言葉では表現出来ません。ハミングが終わり最後は、また「蛍の光」の歌詞を歌いながら、今回の第九では誤魔化しで歌った部分もあり、残り半分を歌えるように来年もまたチャレンジしようと決めたのでした。

「LSC関西 第九を歌おう会」打ち上げパーティー
  
 トップに掲載のように会場前で全員そろい記念撮影をました。残念ながら、会場内での記念撮影など写真撮影は一切禁止されており、会場での我々の様子を撮ることが出来ませんでした。演奏中は当然写真撮影などは駄目であると思うのですが、休憩中などは撮らせてくれてもいいのになあと思いました。もちろん、1万人以上もいるのだから、内緒で撮影しても判らないと思ったのですが、LSC関西を代表(?)して参加しているのであるし、LSCのプライドを傷つけるようなことはすべきでないと思い、ルール違反を慎みました。それで良かったと思います。
 写真の黒の蝶ネクタイをしめるのは初めてですが、自分で言うのは可笑しいですが、なかなか似合ってるヤンと思いました。(笑)
 この後、LSC関西 第九を歌おう会合唱団の打ち上げパーティに移りました。いつもLSC関西懇親会で利用する北新地の高級料亭(?)「つぼ八」で大パーティーです。とにかく、第九の話一点張りです。僕もそうでしたが、皆さん大感動で大満足のようでした。早速、来年の第九に向けて動き始めました。オービスの合い言葉のもと、LSCに第九の仲間を増やし、感動の輪(オービス)を広げようと言うことになりました。話が進むに連れて酒もすすみ、酒が入ると調子が出る僕は、第九の主題の部分を歌い始めました。その時、ソプラノパートの方が一緒に歌ってくれました。しかし、本番ほどうまくいかず、よーし来年もヤッタルデーと益々意気込む僕でした。
 LSC関西、いや全国のLSCの皆さん、来年一緒に参加しませんか。本当に感動しますよ。歌に自信がなくて歌えなくてもいいのです。歌おうと努力すればいいだけのことです。1万人もいるから少々の失敗は目立ちません。それより、自分自身が感動し、人に感動を与えることが大切なのです。みんな一緒に歌えば、みんな感動するし、幸せになります。オービス、オービスですよ。みなさん!!
  

**テレビの放映予定 : 関西 毎日放送テレビ 12月23日(日)14時から放映 是非ご覧になって下さいね。

平成19年12月4日(火) 正木伸治 記

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