LSC関西 第九を歌う会 第32回 サントリー1万人の第九を熱唱!!

平成26年12月7日(日) 大阪城ホール
        
           大阪城ホール前での集合写真(LSC会員とOBの皆さん)

 32回目を迎えた『サントリー1万人の第九』は、佐渡裕総監督になって16回目、前任者の山本直純さんに並んだ事になります。
東日本大震災後3年間は、大阪城ホールと東北の会場をつないでコンサートをして来ましたが、今年は同じ空間で音楽を創ろうと被災地・東北から150人が参加しました。
東京からは1100人、今年からは名古屋でのレッスンも開かれ全国に『1万人の第九』の輪が拡がっています。
『1万人の第九』に参加するには、毎年『抽選』という難関を突破しなければなりません。
めでたく抽選で参加資格を得ても、初心者は12回、経験者は6回のレッスンを受けなければなりません。しかも12回コースは3回、6回コースは2回欠席すると参加資格が無くなってしまいます。
初めての『第九』、初めての『ドイツ語』を『暗譜』しなければならないというハードルの高さですが、大丈夫です。
     佐渡裕総監督
初めての挑戦だからこそ、そしてハードルが高いからこそ、その後の『感動』も大きいのです。
今年は、LSCの仲間7人が参加しました。
その内、初参加は3人です。(皆さんの感想は、後述)
前日に大阪城ホールでリハーサルがありましたが、1万人の合唱団が一堂に会するのは、この日が初めてなのです。
そして本番当日、午前9時に大阪城ホールに入らなければ扉は固く閉ざされ入る事が出来ません。(過去に寝坊をして、本番に出場できなかった知人がいます:但し、LSC会員ではありません~念の為)
本番は3時からですが、その間に欠席者の席を埋める為の1万人の大移動やリハーサルが行われます。
なにしろ、観客よりも出演者の方が圧倒的に多い珍しいコンサートなのです。

~第一部~

淀川工科高等学校吹奏楽部の『ラ・ペリ』のファンファーレで幕を開けました。
司会は羽鳥慎一さんとMBSの豊崎アナウンサーのフレッシュなコンビです。
今年のテーマは、『みんなに広がれ!よろこびのうた』です。
第九の顔、佐渡裕総監督が登場し、『参加された一人一人に物語があり、一万人それぞれの第九を歌い上げて下さい』と言うメッセージが有りました。
最高齢は95歳、最年少は7歳だそうです。

今年のゲスト、May-Jさんが圧倒的な歌唱力で歌を披露します。
『本当の恋』
『Believe』
最後は、今年大ヒットした映画『アナと雪の女王』の主題歌『レット・イット・ゴー~ありのままで』を歌い、我々一万人がコーラスで参加です。
一部が終わり、休憩を挟んでいよいよ我々の出番です。

~第二部~

シラーの詞『歓喜に寄せて』を、女優の井川遥さんが朗読してのオープニングでした。
井川遥さんを見ると、何故かハイボールが欲しくなります(笑)。

朗読の後は、いよいよ『交響曲第9番二短調作品125「合唱付き」』
我々の出番です。
4ヶ月のレッスンは今日の日の為にやってきたのです。
思う存分、歌い切り燃え尽きた『第九』でした。
『蛍の光』の合唱で、また来年の再会を約束しながら会場を後にしたのでした。
なお、今回はじめてドイツの名門『ケルン放送交響楽団』から12名の団員が1万人の第九の演奏に加わりました。
本場のプロの楽団員は、『1万人の第九』をどの様に感じたのでしょうか?
1万人の第九のFacebookからご紹介します。

本番の日、ケルンのみなさまはどんな風に感じたのか・・・「感想が聴きたい」という声が多く寄せられておりましたので入手いたしました。新聞は、ドイツで報じられたものです。
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(※こちらは同行していたドイツ人ジャーナリストがケルンのメンバーにインタビューしたものです。)
                                    (下はドイツの新聞の写真)
「1万人の第九で演奏したメンバーは、みんな合唱団がとても正確に歌い、本当に良く準備していることに驚嘆しました。
リハーサルが始まるまで、このような企画はうまくいかないと懐疑的で、こんなに大きな合唱団とオーケストラが調和できるわけがないと考えていました。
大きなぐちゃぐちゃの音のかたまりになるのではないかと不安に思っていました。しかし、リハーサルが始まってみると合唱団の質の高さと良く統制されていることに驚きました。                         
メンバーは皆このコンサートに参加できたことをとても嬉しく思っており、本当に特別な経験だったと言っています。
ドイツでは、この感覚をGänsehaut-Moment というのですが、鳥肌が立つ、というのが正しい訳になるのかわかりませんが、すべての神経が喜びと興奮で身震いする、という感覚を味わいました」     


ドイツのプロの演奏家にも、好意的に受け取られているようです。

さて、『1万人の第九』には、LSCへ入会する前から参加していました。
ところが、歌い終わってから感動の余韻に浸りながら、一人寂しく電車で帰る寂しさがありました。
お蔭様でLSCへ入会後は、感動を共にした仲間の皆さんと喜びの乾杯が出来るのです。
今回はLSCの仲間7人とOBの末兼さん天野さん、それに『南国暮らしの会』の皆さん方も加わって、総勢16人での賑やかな打ち上げになりました。

それでは、参加された皆さんの感想を・・・・・・

    大世古 健治
最後の楽章途中から涙が止まらずに声も上ずり、それでも最後を全力で高らかに心をこめて歌い上げ嬉しさがこみ上げた。
8月に初めて練習、音譜も読めずにドイツ語も分からずにスタート。自信が無く女房から、やはり無理ですよにカチン。やれる処まで頑張るよと云う本人も実の処は半身半疑。
CDを買い求めて毎日の早朝の1時間半の散歩やカナダ旅行の飛行機の中と頭が駄目なら身体で覚えようと方針変更。不思議な物で3カ月も経ち11月初めのレツスン10回目から歌詞を見ずに声が出る様になる。
前日リハーサル、本番も佐渡さんの指揮を見ながらMayJの美しさに見とれてクライマツクスを迎えました。
会場内1万人の凄さ、声の迫力に感動を覚えM氏のアドバイスに感謝。
今年は春に45Kmに亘る六甲山全山縦走を12時間半で歩き身体から充実感を体験しましたが第9は人と人が歌を通じて一つになれる喜びが身体に沁みわたる体験になり楽しい年になりました。

    湯川久子
最終章 G0tteer,funnken!神々の火花!
歌いきった後の一瞬の静寂
ああ 終わった!と思いがけない不思議な感慨にひたった。
 8月から約5カ月間、ほとんど毎週のレッスン。最初の2,3回は65年ぶりのドイツ語に悩まされ、ようやく曲の意を理解しかけた日々であった。
 長い演奏の後、一万人の会場にライトが明るくなり、一斉に立ち上がった時、アリーナは男性のテノールとバス、2階、3階席は白いブラウスで、黒いロングスカートの女性が整然と並んでいた壮観さ!!男性コーラスのすてきな響き、我がパート、ソプラノも、ほとんど、一オクターブ上の、「ソ」「ラ」のせかい、「今ここで歌っているという共通感に満たされていた。
 ちょっと不満だったのは、私の席は2階真正面、オーケストラも司会者もソリストたちも、みんな後ろ姿しか見えない。スクリーンでようやく演奏と進行状態が確かめられ、指揮者の佐渡さんしか対面できない。我々は、観客ではなく出演者(その他大勢だけど)だったのだ。
 大阪からの帰路も、翌々日もメロディが頭の中で鳴り響いていて、思わず歌詞を口ずさんでいる。

     井森晴彦
 今年の 第九は忘れることのできない 第九でした。
 大阪空港について 手に何もなく 一瞬頭が真っ白になりました。
かんじんの 本番のスーツを忘れてきてしまい これで今年は出場
できないと思いました。とりあえず東京からホテルに宅配を頼み練習に参加しました。
ところが 本番当日11時までに 着替えなければならず主催者に かけあうと 
やっと12時までに会場に戻れとのこと ホテルには午前中にしか到着しないので今年は
あきらめましたが とりあえず ホテルにもどると 未だ到着しておらずやっと 12時少し前に 宅配が届きすぐ着替えたが 12時過ぎており ホテルがこちらの責任ということで主催者に電話をしてくれて なんとか12時半までに到着せよとのことで タクシーでなんとか まにあいました。
座席周りの大阪・京都の参加者のかたがたも心配し 参加できたことをよろこんでくれて ほんとうに連帯感を ひしと感じました。
  以上のことがありましたが 今年の感動はまた格別でした。忘れることのできない 第九になりました

    鳥山忠昭
私は、以前に参加されたカラオケ同好会の人に、勧められて、今回初めて第九に参加しました。
毎年一万人が参加するほど人気のあるこの曲が作られた時代は、帝国主義末期、
ブルジョア革命後のナシヨナリズムの嵐が吹き荒れる激動の時代だったそうです。
この時代に、世界平和と人々の自由を意図したドイツの大詩人シラーの詩に、ベートーヴェンが作曲したものであり、後世になって有名になった曲だそうです。
 今回参加する以前の、テレビ等で放送される第九は私にとっては、歌詞はドイツ語だし、歌詞の内容が判らないため、雑音にしか聴こえなかった。
しかし、3か月にわたる12回の練習会場での歌詞の意味、作曲の背景等を、簡単な説明ではあったが、指導されたお陰でこの曲が素晴らしい曲だという事が判った。
 本番の前日の一万人が参加しての総練習もそうであったが、本番では、とにかく物凄い音響が大阪城ホールに鳴り響くのにはビックリした。
行進曲風の場面や、荘厳なキリスト教会の讃美歌風の場面が有って複雑な内容の曲だが、なんとか最後までドイツ語の歌詞を歌いきることができた。後はみんなの大歓声だった。なかなか、拍手や歓声が鳴りやまない会場は確かに歓喜の渦が巻いていた。
 参加して本当に良かったと思った。
できたら2015年も参加したいと思います。

    有元義晶
バスに転向して今回で、3回目の参加となり多少余裕も出てきました。
ただ、毎年レッスン回数ギリギリで参加して本番に臨んでいますので、声が出ないときがあります、勿論口パクで乗り切ります。
今年は、最前列で観客の前でした、きっと皆さん感動ものでしたしょう(笑)
来年も抽選に当たれば参加します

    徳永卓雄
ドイツから新聞の切り抜きが送られてきた。 “Zehntausend Stimmen fur Beethoven” と特大の見出が並んでいる。欧州でも「一万人の第九」は大きな話題になっているらしい。そう言えば、3年前のフランスのTV局のクルーが会場を撮影していたことがあった。
紙面には会場全景の写真が大きく掲載されている。ソプラノの女性の白いブラウス越しにスタンド席をアルトまでぐるっと半周、アリーナの中央に陣取っているオーケストラ席を男声のテノールとバスがU字にぐるっと囲んでいる。オーケストラの正面の数千人の一般客席は一万人の歌い手に比べると随分少なく見える。一般客が入場できる切符は出演者の家族や知人でもなかなか入手困難な“プラチナチケット”である。
演奏の最終章になると第九の演奏の中で最もテンポが速くなる。指揮者の佐渡裕さんの身体とタクトの動きが一段と力強く速くなる。オーケストラと合唱のエネルギーが最高に盛り上がる。演奏の最後に指揮者が左手を虚空に高く突き上げ口を大きく開けて何かを叫んでいるように見えた。
そして、一瞬の静寂の後に場内に響き渡る大歓声とそれに続くうねりの様な拍手の波が10数分間も絶え間なく続いた。「一万人の第九」の演奏の最後に感じる身震いするような素晴らしい感動。この中に身を置きたくて4ヶ月にもわたる練習に励んできたのだ。来年もこの感動の中に浸りたい。

参加された皆さんの『感動』が伝わって来ます。
今年は、是非チャレンジしてみませんか?
                                    レポート 本村忠司

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