神原克收 ykambara@kcc.zaq.ne.jp |
||
目 次 (1)(2006年−1月) | ||
1 | 信号がついた | |
2 | 犬が減った | |
3 | 喫茶店が増えた | |
4 | 値上げラッシュ | |
5 | コンドミニアムが増えた | |
6 | コンビニが増えた | |
7 | 高級スパが増えた | |
8 | メータータクシーと路線バスの登場 |
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||
1 信号がついた チェンマイは2年ぶりの訪問である。外国はどこに行っても「来た」と思うが、チェンマイでは「帰ってきた」と感じる。2年振りのチェンマイは大きく変化していた。その変化を一つずつ見てみよう。 チェンマイは車社会で人よりは車優先である。従って幅の広いメーン道路を横切るのは緊張感を伴う。最近この道路に横断用の信号が出来て少し便利になった。日本の押しボタン式と同じだが、こちらは押すと1〜2秒で青信号になり、あと何秒青かという数字が出る。大抵の場合10秒程度と短く、健常者でも横断するには急がねばならない。 信号が付いたからといって安心は出来ない。信号が青になっても突っ込んでくる車やバイクがいる。青信号で渡っている目の前をスピードも落とさず通過する車にヒヤリとしたことは度々ある。車が止るのを確認しようと止って見ていると、「横断する意思なし」と勝手に突っ込んでくる車がいる(特にバイクは要注意)。だから確認しながらも速やかに横断する必要がある。チェンマイの合理的なことは、歩行者が横断すると車は信号がまだ赤でも平気で通り過ぎる。 日本でもチェンマイでも早朝の散歩は欠かさないようにしている。日の出前の街では信号が赤でも、若干のスピードダウンはするものの止らない車が圧倒的に多いから注意が必要だ。日中でも路地を入った裏道ではこうした現象がしばしば見られる。 チェンマイの信号についてもう少し追加しよう。日本では東西が青なら、南北は赤になる。チェンマイでは主要な交差点ではそうはならない。東西南北の一方向だけが青になり、他の三方向は赤である。従って一旦赤になると、青になるまで相当時間が掛かる。その代わり青の時は直進だけでなく右折OKというシステム。因みに左折は信号が赤でも注意して進行出来る。これが出来ないのは私の知る限り日本だけである。 正月3日に心斎橋そごうに家族で建て替え後初めて行きました。驚きの連続で何も買わないのに2時間もうろうろ歩き回ってしまいました。 何といっても明るくてきれいなこと。それもとても洗練された美しさで、誰が店舗デザインしたのか、日本にもこんな才能を持ったデザイナーがいるのかと嬉しくなり、とても気分のいい正月でした。 |
2 犬が減った チェンマイの治安は頗る良い。人は勿論のこと、ゴロゴロしている犬達も昼間は吠えもしなければ飛び掛ってくることはない。しかし夜になると野生の本能が戻るのか、番犬としての役割を思い出すのかよく吠える。一匹が吠え出すと他の犬達も連鎖で吠え出す。これではメイン通りはともかく、裏通りは怖くて歩けない。以上が一昨年までの状態。 何故犬が多いかというと、一つには仏教国で殺生はしないという国民性による。しかし政府が「観光立国を目指すには犬の排除は不可欠」と犬の不妊手術を計画したことがある。実行寸前に国王の「犬が可哀そう」の一言で計画が潰れた経緯がある。加えてお寺の僧侶が托鉢で得た食料を犬に与えるので生活の心配もない。 ところが今回チェンマイにきて犬が大幅に減少しているのが目についた。日本のように野良犬は皆無というわけには行かないが大幅に減った。バンコクも同様大幅に減っていた。どんな政策転換がなされたのか、国王を誰かが説得したのか、どんな手段を用いたのか、誰に聞いても確かな返事は得られない。一説には国王の「観光のためには犬を何とかしなければ」の一言が効いたと言うが噂の域を出ない。何はともあれ犬の減少で我々外国人の安心感が大幅に増したことは間違いない。 以前は日課の散歩がままならなかった。早朝は犬が怖くて出歩けない。日中は暑いのとメインの通りは排気ガスがきつくて散歩向きではない。裏通りは日中でも犬が怖くて敬遠せざるを得ない。結局思うように散歩が出来ず困っていた。 それが今年は早朝暗いうちでも大きな通りは犬の心配はなくなった。路地裏通りにも恐々挑戦したが特に問題はなく、今では安心して散歩している。観光立国を標榜しながら、犬対策に何の手立てもしないタイ政府に不満が募っていたが、ようやく重い腰をあげてくれたようで有り難い。 まだ暗いチェンマイ大学構内で撮影のため画面が暗くボケています。 |
3 喫茶店が増えた チェンマイは来る度に西欧化が進んでいる。5年前には探すのに苦労したパン屋が至るところに現れ、味も年々向上し現在では日本ほどではないが、相当レベルまできている。パン屋と同じく喫茶店(勿論こちらでの名称はコーヒーショップ)も数件しかなかったものが、場所によっては日本並近くに増えている。コーヒーの味も5年前のとても飲めない味からまぁまぁのレベルにはなってきた。 扱うのはコーヒー・紅茶が中心だが、中には日本茶や中国茶も揃え「お茶専門ハウス」を売りにしている店もある。喫茶店では日本同様コーヒー・紅茶・ジュースなどの飲み物にサンドウィッチやケーキの品揃えが一般的。中には簡単なタイ料理を置いているところもあり、カレーやチャーハンもある日本の喫茶店という風情だ。 店構えもオープンカフェ中心から、総ガラス張りを含め室内店舗の洒落た店へと変貌している。それでもコーヒーの値段は30B(90円)前後と安い。安いといっても30Bあれば屋台なら昼食が食べられるからやはりコーヒーは贅沢品には変わりはない。 喫茶店やパン屋だけでなくマクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどのファーストフードの店も徐々に増えつつあり、食の西欧化が急速に進んでいるように思う。このままいけば10年もしない内にスタイルのいいチェンマイ美人が肥満化することが心配される。 (喫茶店の写真を撮るのを忘れましたので写真はなし) |
4 値上げラッシュ 2年前と比べて全ての物価が上がっているのにビックリした。 2年前と比較すると凄まじい値上げラッシュである。これでも日本より遥かに安いので価格的な魅力は未だ衰えていない。 しかしこの調子で行くと10年もしないうちにチェンマイも価格的には魅力のない街になるのだろう。 以下気がついたものをランダムに列挙してみよう。
こうした中でも2年前と変わっていないものもある。例えば ・ インターネットカフェ 20B/時間 ・ コンドミニアムも相場的には上がっていない ・ ビール ・ サイモンショウ(おかまショウ) ・ 布地 などである。やはり需給関係によるのだろう。 チェンマイの物価とは関係ないが、今年は円が安いのでこの面からも物価高を感じる。また近年日本の物価が衣料・飲食・航空券・ツア旅行など大幅に下がってきたので、それとの比較において相対的に価格が接近してきたと感じる面があるのかもしれない。いわばダブルパンチ或いはトリプルパンチである。 こうした状況でも依然としてチェンマイは買い物天国、生活天国であることに変わりはなく、海外ロングステイヤーのトップ人気が続いている。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
5 コンドミニアムが増えた チェンマイは元々城壁とお堀に囲まれた都市であった。今も城壁の一部と一辺1.9Kmの正方形のお堀は残っていてチェンマイのシンボル的存在だ。そのお堀の外の北西部に多くのロングステイヤーが住んでいる一帯がある。住まいの形態はコンドミニアムが圧倒的に多い。 2年前にもこの地域には沢山のコンドが存在していたが、今回来て見て新しいコンドが林立しているのには驚いた。目見当で2倍以上にはなっているのではないか。2年前にはコンドが不足気味で、最低でも6ヶ月以上でないと契約に応じて貰えない所が多かった。今回は新しいところが増えたお陰で1週間でも、1ヶ月でも契約に応じてくれるところが多くなった。勿論長期契約は安いが、短期契約が高くつくのは致し方ない。 今回私が滞在したのも1年前に完成した新しいコンドである。ワンルーム・バスタブあり・キッチンなし・家具寝具付き・無料インターネットラン付き・NHKテレビ付きで月額5,500B(16,500円)である。この近辺なら2ベッドルーム・キッチン付きで15,000B(45,000円)程度が普通。 以前はコンドの部屋ごとにオーナーが違い、従って仕様も違うケースが多かったが、最近のものは一棟まるまる同一オーナーで同一仕様というケースも増えている。以前は金持ちが別荘感覚で保有していたものが、ロングステイヤーの増加に目を付けた金持ちがコンド建設に乗り出した結果ではないかと素人分析をしている。 なお、外国人のみならずタイ人向けのコンドも沢山増えている。タイの経済発展とともにチェンマイの都市化が進んでいる証であろう。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
6 コンビニが増えた 5年前チェンマイへ初めて来た時は「地方都市」という印象が強かった。その印象は年とともに変化してゆき、着実に大都市へと変貌をとげつつある。5年前は珍しかったコンビニが至るところに出現し、私の散歩コースだけでも10軒は下らない。若者の24時間化が進んでいる証拠であろう。中でもセブンイレブンの勢いは絶大で、およそ10軒に9軒は占めている。 以前は見られなかった徹夜で飲み・語り明かす学生の姿を今年は初めて見た。朝散歩しているとき明らかに徹夜と判るグループが語り明かしているのに出会った。彼らが語り明かすのは路上であったり、コンビニの店頭やレストランの屋外席の無断借用であったりする。こうした行動を支えているのもコンビニなのであろう。 コンビニの品揃えは日本と良く似ているが、まだまだ日本のようなきめ細かさは感じられない。タイの外食文化を支えてきたのは圧倒的に屋台である。特に早朝は屋台の独断場であった。ここにコンビニが割り込んでくればチェンマイの朝の風景は10年を待たずして確実に変化してゆくのだろう。事実若者がコンビニの前で飲食している姿が散見されるようになった。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
7 高級スパが増えた チェンマイの魅力の一つにマッサージがある。タイの古典的な技で2時間たっぷりと揉んでくれる。バンコクは高いがチェンマイなら2時間で200〜300B(600〜900円)+チップ50〜 100Bと安い。マッサージ店は町の至るところにあるので、探すのに苦労することはない。勿論店により技術の巧拙、店の清潔度に大きな差があるので、行く時は地元の人に評判を聞いて行くことをお勧めする。 店舗を構えて営業するのが一般的だが、ホコテン(歩行者天国)の時は道路わきに椅子を並べてタイ式マッサージや足ツボマッサージをしている。いわば屋台マッサージである。これは30分60B(180円)でチップ不要と更に安い。 この伝統的なマッサージに割って入ってきたのが高級スパである。2年前までは高級リゾートホテルでしか見られなかったものが、今では街のあちこちで店や看板が目に付く。値段もタイ古式マッサージの5〜10倍と高いが、これだけ急増しているところを見ると客はいるのであろう。しかし、日本のロングステイヤーには高級スパ利用者は皆無に近いし、ましてバックパッカー中心の西欧人に利用者が多いとはとても思えない。後は金持ちタイ人か日本の若い女性旅行者くらいしかいないと思うのだが、日本の若い女性はチェンマイにそれほど関心を示さない。これで経営が成り立つのかと心配になる。ケチな小生には理解し難い高級スパの増加ではある。 まさかバリ島での高級スパの盛況を見て、二匹目のドジョウを狙っているのではないと思うが・・・。そもそもチェンマイにはバリ島ほど日本の若い女性を虜にする要素は少ないと思う。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
8 メータータクシーと路線バスが登場 チェンマイのタクシーと言えばソンテウという乗り合いタクシーである。ツクツクという三輪タクシーもあるにはあるが、値段が交渉制で鬱陶しいのと、悪徳運転手も多く次第に淘汰されたのか、今回は大幅に減っていた。 ソンテウはピックアップトラックの荷台の両サイドに座席を設け、幌を掛けただけで窓にはガラスはなく風も排気ガスも入ってくる。造りはお粗末だが便利なことこの上ない。価格も10Bが15Bに上がったとはいえ、それでも45円で希望のところまで運んでくれる優れものである。 チェンマイの市内には路線バスも走っていないのに立派なバス停が随所にある。これは数年前市営バスを走らせたが、ツクツク(三輪タクシー)やソンテウの運転手や業者の猛烈な抵抗で廃止に追い込まれた経緯がある。立派なバス停はその時のものが撤去されずに残っているのである。 ところが今回驚いたことにメータータクシーや路線バスが走っている。タクシーは空港にしかいないし、市内ではめったに見られない。バスも僅かに6路線のみと少ないが、路線内であれば手を挙げればどこからでも乗れるし、どこででも降りられるので随分便利だ。しかも値段は30円ととても安い。どちらもまだまだ少ないがこれから徐々に増やす計画と聞く。今度はよもや前回の轍を踏むことはないだろう。ツクツクやソンテウの業者も近代化の波には抗し切れなかったのであろう。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|