チェンマイ便り
神原克收
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  鳥インフルエンザ 1
  鳥インフルエンザ 2
  チェンマイ・ゴルフ事情
  進化するチェンマイ、停滞するチェンマイ
  何でもありのチェンマイ(その1)
  何でもありのチェンマイ(その2)
  何でもありのチェンマイ(その3) 
鳥インフルエンザ

 チェンマイにいてもNHKワールドが視聴できるので日本の状況は逐一分る。日本での鳥インフルエンザ騒動も連日の報道で手にとるように分る。タイでも多数の鶏が死んでいるので大丈夫かとご心配いただいたメールを頂戴し恐縮している。

 タイでもTV等しばしばで報道されているので鶏の大量死のことは大抵知っているようだ。しかしだからといって鶏肉や卵を食べるのを止めるといった行動をとる人は殆どいないのが現状だ。チェンマイ在住の日本人の間でも私の知る限り話題にはなっても食生活での変化にまでは至っていない。タイ人の間ではウソか本当かは不明ながら「万一鶏肉を食べて死んだら政府が300万B補償してくれるので積極的に食べ、もし死んだらラッキー」という冗談とも本気とも付かないような話が交わされているらしい。ことほど左様に殆ど気にしていないということである。

 しかし動きが全くないかというとそうではない。高級スーパーの店頭から鶏肉が姿を消している。ホテルの料理からも鶏肉がなくなっているところもボチボチ出ている。先日チェンマイ北部のパイという町に行った。温泉で有名な高原の町で欧米人に大変人気のあるところである。ここで高級リゾートホテルに泊まった際「鶏肉と卵は提供出来ません」と言われた。

 こうした動きも出て来たが前述のように一般のタイ人にはどこ吹く風といったところである。そもそも鳥インフルエンザは鶏肉を食べて人に感染したケースはないようだし、このウイルスは75度の熱を1分間掛ければ死滅すると言われている。タイでは鶏肉を生で食べる習慣はなく全て熱を通して食するので全く心配は要らない。日本の騒動振りをタイから見ていると過剰反応としか思えない。
再び鳥インフルエンザについて

チェンマイ便り1で鳥インフルエンザに関するタイの状況をお伝えした。その中でタイ国民の無関心ぶりに引き換え、日本や韓国の過剰反応振りを少々揶揄してお伝えしたので私自身がこの問題に無警戒との印象を与えたようだ。

 私が言わんとするところは鶏肉や卵を食する際加熱料理したものであれば問題ないということであり、今でも無警戒に食べている。しかし今は問題ないがこのウイルスが人から人への感染力を持ったウイルスに変異したらどえらい問題になる。サーズどころの騒ぎではないらしい。この点に関し静岡の平尾氏から以下のコメントを頂いた。

「トリと人人を隔離しない限り恐ろしいウイルスに異変していくのは時間の問題です。1918年のスペイン風邪の折は5億人感染し4000万人死にました。当時世界は20億でした。今なら5-10億といわれています。

人のインフルエンザと鳥インフルエンザは親戚です。」同様の話がインターネット上でも掲載されていたので専門家の間では常識的な心配のようだ。

 問題はこのウイルスが人から人への感染力を持ったウイルスに変異する可能性を少しでも減らさなければならない。感染力を持ったウイルスに変異するのは鳥から人への感染を繰り返して入る内に偶発的に変異する可能性があるらしい。また鳥→豚→人への感染を繰り返しているうちに変異する可能性もあると専門家は言っている。だからそのような可能性を極力減らさなければならない。そのために鳥インフルエンザを押さえ込むことが緊急の課題なのである。

 その意味から言うと国民の意識の問題もさることながら各国政府の鳥インフルを押さえ込むという不退転の決意こそ最も肝要なのであろう。一部の国での事実を隠蔽しようとする動きこそ人類最大の敵に違いない。

 日本政府がいち早くタイや中国からの鶏肉輸入を禁止したのは肉に付着してウイルスが日本に持ち込まれ鳥インフルが拡大するのを防ぐ上で大変賢明な措置であろう。

 ウイルスが人から人への感染タイプに変異し、人々が感染し出したら手の打ちようがない。ウイルスが変異するその可能性は防疫観念が薄く、防疫体制・防疫設備が整っていないアジア諸国やアフリカ諸国が最も高いのではないだろうか。その意味からすると日本や韓国の過剰反応は誠に賢明な判断かもしれない(だからと言って鶏肉や卵を食べないというのは心配過剰と思うが)。

 ウイルスが変異し感染が始まってからでは遅いのでそろそろ日本へ帰国することにする(当初の予定通りではあるが)。この問題が納まるまではアジアへの不急な旅行は慎んだ方がよさそうだ。

タイ在住の皆さんへ

 物騒は話ですみません。これはあくまで神原個人の素人判断で最悪コースに進んだ時の話です。どこにいても感染するものはするし、しないものはしない。ウイルスが変異して世界的に大流行となればどこにいても同じでしょう。そうならないことを祈るのみです。

  チェンマイゴルフ事情

 チェンマイはゴルフ天国である。ゴルフを目的にチェンマイへ来る日本人も沢山いるし、ロングステイしている人で月に20回以上ゴルフを楽しんでいる人も少なくない。

 チェンマイの主なゴルフ場は全て市内の中心部から車で20〜30分以内に在り、料金も日本と比較するとメッポウ安いのが魅力である。エントリーも土日を除けば大変スムースで午前の涼しい内にラウンドして昼食を摂っても1時前には家に着いているのが普通である。
ところがここ1〜2年状況が一変している。ベストシーズンの12月1月に外国のゴルファーが大挙して押し掛ける現象が起こっている。メンバーといえども入り込むのは至難の業である。メンバーの中には業を煮やして外国勢がスタートする前にスタートし最初の1〜2ホールは暗闇の中でのショットという剛の者もいる。事実私も暗闇の中でスタートした経験がある。

 今年の1月からゴルフ場がメンバーの欲求不満を和らげるため月に3回ほど外国勢の予約を取らない日を作り、ちょっぴりましになった。

 ところがここに来て急に異変が生じている。キャンセルが相次いでいるのだ。原因は前回のチェンマイ便りでもお伝えしたように鳥インフルエンザである。以前はバス7〜10台連ねて来ていたのが最近では4〜5台に減っている。お陰でエントリーも比較的楽に出来、ゴルフ好きの日本人ロングステイヤーも愁眉を開いている。

 その他の影響をもう少々。

・チップの異常高騰。従来はキャディへのチップは100Bと相場が決まっていた。ところが懐の豊かな人は最低300B,多いのは500Bのチップを弾んでいるという。日本人の中には100B出して「ケチ」と言われて憤慨している人もいた。今でも日本人の大勢は100Bだが中には150〜200Bにした人もいる。

・チップはゴルフだけでなくマッサージにも影響が出ている。マッサージの相場は昨年までは2時間で200B、チップ50Bというのが相場であった。今年はそれが300Bと100Bに相場が上がっている。

・ホテルや観光地の入場料にも影響は出ていて、明らかに値上がり傾向である。

・ゴルフのプレーが極端に遅い人達がいる。下手で遅くても急ごうという素振りでもあれば辛抱出来るのだが、スルーさせるよう頼んでも頑なに拒否すると嘆いている人がいた。
チェンマイでは1組6名までOKなのでプレーの遅い6名の後ろについたら泣きたくなる。


 進化するチェンマイ、停滞するチェンマイ

 チェンマイにロングステイするようになって3年目を迎えます。
今回来て最初に感じたことは「きれいになったなぁ」です。

その変貌振りをお伝えしましょう。

@街がきれいになった。
 チェンマイの空港へ降り立ったのはすでに暗くなってからであった。
 空港から市内へ向かう車の中から見る懐かしのチェンマイは暗闇の中でもどことなく清潔感が増してみえました。翌日から観察してみま すと・清掃が以前にも増して行き届いている。
・道路沿いや中央分離帯の花壇や花飾りがより整備されている・昨年よりも花が多く咲いている。これは気候の影響でしょう

A道路がきれいになった。
 チェンマイの道路はもともと良く整備されていましたが、ここへきて基幹道路の中央分離帯の植木や花壇の整備、場所によっては並木道 の整備が着々と進んでいて、観光に力が入っているのが手にとるように感じられます。

Bお札がきれいになった。
 昨年までは触るのが気持ちが悪いくらい汚いお札が結構あったが、今年は見事に改善されている。勿論皆無ではないがお札を触ったあと 手を洗いたくなるような感じはしなくなって大変気持ちがよくなりました。

C犬が少なくなった。
 チェンマイの犬の多さは日本では想像出来ないくらい多くいます。
 昼はおとなしく気持ち悪さはそれ程ではないのですが、夜や朝早く散歩するときなどは気味が悪く歩けません。
 今でもこの状況に変わりはないのですが、昨年よりは心持ち少なくなったように感じます。でも本格的に野良犬対策に乗り出したわけで もないようなので、急速な改善は期待薄でしょう。

D空気の汚れは1層ひどくなった。
 冬のチェンマイは以前にもご報告しましたように治安、気候、物価、人々の穏やかさ、美味しい食べ物等々ロングステイ先としては第一 級の土地だと思います。ネックは空気の汚染です。原因は排気ガスと埃です。埃の方はかなり改善されてきていますのが、排気ガスはま すますひどくなっているように感じます。昨年までは見えていたチェンマイのシンボル、山の中腹にあるドイステープ寺院が今年は霞ん で見えないことがよくあります。
 5年後には一辺約2kmのお堀で囲まれた旧市街への電気自動車以外の車の乗り入れを禁止する案もあるようですが、とても本気とは思 えません。 単なる政治家の人気取りに過ぎないのではないでしょうか。

Eパン、ケーキ、コーヒーが美味しくなった。
 一昨年はどれも不味くしかもパンを売っている店は非常に少なかった。ケ−キに至っては滅多に売っている店には出くわさなかった。昨 年は店も増え、味の良いところも散見されるようになった。更に今年は店も大幅に増 えしかも味も一層向上し、日本ほどではないにし ても西欧化が急速に進んいるように思える。

F肥満の人が増えた。

 一昨年よりは昨年、昨年よりは今年と徐々にではあるが肥満の人が少しずつ増えている感じがする。特に女性が顕著で女学生では昨年ま では例外的にしか目に付かなかったが、今年は結構目につき今後が気掛かりである。

 これもEで申上げた通り食文化の西欧化が影響していることは間違いないだろう。

 何でもありのチェンマイ(その1)
 チェンマイでよく使われる言葉は三つの「サ」とマイペンライである。
三つの「サ」とはサバーイ、サヌック、サドゥアックでサバーイは快適、サヌックは楽しい、サドゥアックは便利といういずれも形容詞である。
チェンマイ人は快適で楽しく楽なことが大好きな人達である。
 マイペンライは英語で言えばdon't mind 、日本語で言えば「気にしない、気にしない」といったくらいの意味だろう。今回はチェンマイ人のマイペンライぶりをご紹介しよう。

@ 日本では女性に年齢を聞くことはタブーであるがここチェンマイでは 何の気兼ねもなく聞くことが出来る。聞かれた女性も躊躇うことなく年齢を答える。


A 日本人は時間に関しては大変シビアであるがチェンマイ人は大らかである。5分・10分は当たり前でひどい時には30分・1時間も遅れるときがあるらしい。らしいというのは私はそんな目にあったことがなく、人さまの話である。もっとも最近ではチェンマイ人の間でも日本人は時間に煩いということが浸透し、こと日本人に対しては時間を守る様になってきているように思う。

B チェンマイの人は謝らない。先日も地方へ小旅行をした際運転手が道を間違え20分くらい走って間違いに気付き、同じ道をバックした。そんな時でも一切「すみません」という意味の言葉はなし。

C チェンマイ人は人に教えを請わない。Bの道を間違えた時でも一切道を聞こうとはしない。また同じく地方に出かけた際、ホテルの場所が分らず随分探し回った。運転手に「誰かにきいてくれ」といくら言っても聞かない。仕方がないから無理やり車を停めさせ自分自身で不自由なタイ語で聞かざるを得なかった。

D こちらの人は礼を言わない。お土産などを渡してもその時だけ有難うというがそれ以外は一切礼らしきことは言わない。日本人なら後日逢ったときでも「先日はどうも」と礼を言うがこちらでは全くそんなことはない。

E こちらでは少々の酒は飲酒運転とは考えていないようだ。勿論こちらでも飲酒運転は禁じられているが、そんなものどこ吹く風である。 チェンマイ在住の日本人でも夕食時に飲んで運転する人の方が多数派であろう。
何でもありのチェンマイ(その2)

F アルコール持込OK。日本ではレストランへのアルコールの持ち込みは禁止か、禁止でなくても多額の持込料を取られる。しかしこちらでノーチャージでOKなのである。但しビールはダメらしく皆んな遠慮している。それと超高級なレストランでは持込料を要求するところがでてきた。いずれ将来は日本と同じようにならなければ良いがと願うのみである。

G その代わりと言うわけではないが、ビールを注文したらいちいちコップに注いでくれる。サービス満点、と思いきやちょっと油断していると注文してもいないビールが次々と注がれる。2本注文したビールが気がついたら5本も栓が抜かれていることだってある。

H ナンバープレート無しの車
 チェンマイではナンバープレート無しの車に時々出くわす。日本でも新車の登録の際仮ナンバーというケースはあるが、ナンバー無しというのにはお目に掛かれない。しかしチェンマイでは新車購入後1ヶ月くらいはナンバーなし、更に1ヶ月くらいは仮ナンバーでその後本ナンバーがくる。ナンバー無しで困ることはないのか?有るのである。
 チェンマイ県以外へ行く場合は少々困ることもあるらしい。特に北部へ行くときは時として麻薬取締りの検問がある。その場合はナンバー無しというのは少々面倒になるらしい。

I 車の接触事故はどこでもよくある話であろう。ここチェンマイでも珍しい話ではない。しかしバンバーが凹んだくらいではお互いにお構いなしのようである。もっともバンバーというのは本体を保護する為のもので、それが凹んだからといって目くじらを立てるのは日本くらいのものだろうが。

J 先日北部のパイという町へ行った夜、食事中に山火事(と思った)を見た。横一線の帯状に数百mに亘って炎と煙が上がっている。てっきり山火事と思い従業員に聞くと野焼きだという。この乾季の最中のしかも夜にこれだけ大規模な野焼きをするとはビックリ仰天。

K 同じようなものにチェンマイ名物のコムロイがある。年末のカウントダウンの際にご報告した小型熱気球である。以前バンコクでコムロイが原因で火災が発生し以後禁止されたと聞いている。チェンマイでも禁止されているのかどうかは分らないが、そんな心配は一切無用とばかりに夜空を彩っている。日本の消防庁が見たらきっと腰を抜かすに違いない。

何でもありのチェンマイ(その3)

L チェンマイの東の繁華街近くに有名なカフェがある。そこのメニューに肉や野菜の炒め物料理も載っている。たまたま窓際の席で外を見やっているとアルバイトと思しき若いウエートレスが不器用な手付きで料理をしている。火を使わない料理は店の奥から出てくるのだが、どうやら厨房では火が使えないようで、火を使うものは道路際で調理している。それにしても屋台ではあるまいし立派なカフェで、しかも堂々と悪びれることなくやっている。更に驚くべきは水道設備が無い。
 使った後のフライパンはコンロに掛かっているスープ鍋からフライパンで直接スープを掬い、スープで洗った後ペーパナプキンで拭いお終い。注文した客もそれを見ていて何も言わない。いやぁ、大らかですなぁ。

M レストランでは注文した料理が出てくるのが遅い。こうした場合タイ人や欧米人はおとなしく待つ。催促するのは日本人のみ。この時気をつけなければならないのは、催促するとダブル注文になることがあるのでクワバラ、クワバラである。

N 私の住んでいるマンションの近くで朝6時になるとスピーカーでアザ−ン(イスラム教のお祈り)が流れる。チェンマイの朝は比較的遅いのでまだ寝ている人も多いと思うがお構いなしである。仏教徒が95%といわれるタイでイスラム教のお祈りを大音声のスピーカで流すこともないと思うのだが、チェンマイの人も辛抱が良い。

O もっとひどい話がある。やはり私の住んでいるマンションの直ぐ横がシェラトンホテルである。チェンマイで最高級のホテルだ。そこの庭で夜中の3時頃樹木の消毒をやってくれる。散水車に消毒用のノズルをつけているので大変大きな音がして大概目が覚める。しかも1週間に3〜4度くらいの頻度である。このマンションの人は誰も文句は言わないのだろうか?

P ゴルフ場には練習場を持っているところがある。練習場のボールが本コースに入り込んでくるなんてことは通常では考えられない。しかしチェンマイではあるのだ。コースを歩いていると5〜10ケのボールが転がっているホールがある。練習場からのボールである。でもタイ人は勿論、日本人も無関心である。郷に入っては郷に従えということか。

Q 最後に雇車の話。
 レンタカーは1500CCのオートマで1400B/日でワゴンタイプなら2000B程度。しかし運転手付ならワゴンで1500B/日で借りられる。一体どうなっているの?
以上チェンマイ何でもあり情報でした。
 

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