シシリー島メッシーナ MESSINAの案内その2  
                   

編修製作者 土井恵子  2005年8月18日(木)
 
カラーブリア州の大陸が対岸に見える、メッシーナ海峡。ティレニア海トイオニア海が合流する海峡に橋をかける計画はあるが、現在はまだ本土から列車をフェリーに載せてシチリアへと渡る。フェリーのデッキから眺めるメッシーナのペロリタ−ニ山脈は「シチリアへ来た」という感動を与えてくれる。メッシーナの町は1783年と1908年の大地震に襲われ、さらに第二次世界大戦でも、被害を受けたが、新しく美しい町並みに生まれ変わった。

***おもな見どころ***
 ドゥオーモ Duomo
ルッジェーロ2世によって造られたノルマン時代の教会。しかし1908年の大地震によって、ほとんどが崩壊してしまった。1919年に再建工事作業が始まるようになったのだが、再び第二次世界大戦で爆撃を受けてしまい、現在は全体的に改造された状態になっている。中央門には三角形のとがった細かい装飾が彫られているのが特徴。内部の祭壇正面の直ぐ右側の壁にはアントネッロ・ガジーニ作とされている『洗礼者聖ヨハネ像』がある。木の鮮やかな天井にバロック様式の祭壇、そして光輝くモザイク装飾が印象的。両側の通路には12使徒の像が飾られている。
  鐘楼 Campanile
1933年にフランス北東部のストラスブールの会社が建設した時計仕掛けの鐘楼。針が正午を指すと塔の中の装飾が動き出す仕組みになっている。塔の横の面にある大きな円盤は昔のカレンダー代わりのものになっている。
 オリオンの噴水 Fontana diOrione
鐘楼の前にある泉は、1547年から1551年にかけて造られたジョヴァンニ・アンジェロ・モントル・リとドメニコ・ヴァンネッロの作品。貝や動物に囲まれながら川を象徴する像が横たわり、中心にはオリオンの像が建っている。
  サンティッシマ・アンヌンツィアータ・デイ・カタラーニ教会 Ss.Annunziata dei Catalani
ガリバルディ通りから見ると地下にもぐっている、ノルマン時代末に建てられた小さな教会。内部にはレパント海戦の時の勝利者、オーストリアのドン・ジョヴァンニの彫像がある。
  ガリバルディ通り Via Garibaldi
 カイローリ公園Piazza Cairoliからまっすぐに続く道。広いバス通りにもなっていて、この道沿いにはサンティッシマ・アンヌンツィアータ・デイ・カタラーニ教会やヴィットリオ・エマヌエーレ劇場、ネプチューンの泉が位置している。
  ネプチューンの噴水 Fontana del Nettuno
 アンジェロ・モントールソリの1557年の作品。オリジナルは州立博物館に所蔵されている。
 州立博物館 Museo Regionale di Messina
 ネプチューンの泉さらに港側に沿った道、リベルタ通りの先にある博物館。12世紀から18世紀の作品が所蔵されている13のサロンに分かれている。アントネッロ・ダ・メッシーナの『聖グレゴリウスの多翼祭壇画』やカラヴァッジョがメッシーナに滞在中に描いた『牧者の礼拝』、『ラザロの復活』が必見。
  国立博物館 Museo Nazionale
海峡を挟んだレッジョ・ディ・カラブリアは博物館があり、ここには有名なリアーチェのブロンズ像がある。1972年にイオニア海に面した町リアーチェの沖合150メートルの海底から発見されたこの2体の像は、紀元前2世紀頃のローマ船が、ギリシアから戦利品として持ち帰る途中で難破したために海に沈んだと推測されている。レッジョ・ディ・カラブリアにはメッシーナからフェリーで35分ほどで行ける。

 タオルミーナ TAORMINA 
南のタオルミーナは島随一のリゾート地で標高206メートルの高台にある。南西に活火山エトナを仰ぎ、そのエトナを背景に眼科には美しい海岸線とまばゆいビーチが広がる。冬でも温暖で。ブーゲンビリア、ハイビスカス、オレンジ、レモンが咲き香り、熱帯植物やサボテンが繁って南国ムードにあふれている。高い崖の上に建てられたホテルからはどこも海やエトナを望む素晴らしい眺めを楽しむことができる。街の東、入り江に浮かぶ小島イゾラ・ベッラは映画『グラン・ブルー』のロケ地に使われた場所だ。
 鉄道の中央駅は街の南西にあり、中心地まではバスで向かう。バスはピランデッロ通りに到着するので、通りを歩いてメッシーナ門まで行く。メッシーナ門からゆるいカーブを描いて西へ延びるウンベルト通りがメインストリートだ。高級ブランド店が並び、賑わっている。
 メッシーナ門からウンベルト通りを少し行くとエマヌエーレ広場に出る。ここから左へ延びるその名もギリシア劇場通りを進むと、ギリシア劇場に至る。

***おもな見どころ***
ウンベルト通り Corso Umberto
タオルミーナのメインストリートで、道の両側には美しい家、土産物を売る店、ブティック、カラフルなパラソル付きテーブルの並ぶレストランやカフェが軒をつらね、リゾート客でにぎわう。途中の4月9日広場Piazza 9 Aprileから望むイオニア海の眺めは絶景。さらに通りをいくと噴水のある小さな広場に面して、ルネッサンス時代に完成したドゥオーモDuomoが、静かな姿をみせる。
古代ギリシャ劇場 Teatro Greco
紀元前3世紀に建立された野外劇場で、夏には今もここでバレエ、コンサート、芝居などが上演される。舞台部分の列柱を通して見える海岸線とエトナ山の眺望は圧巻。
市民公園 Villa Comunale
 ギリシャ劇場のすぐ下にあり、イオニア海の景観が素晴らしい公園。さまざまな植物が散歩道を美しく飾る。

★オデュッセウスのエピソード
 オデュッセウスがトロイからの帰り道、漂流団の中でひときわよく知られている単眼巨人のキュクロプスの住む島に上陸するエピソード。穴倉に閉じ込められ、毎日仲間が一人ずつ巨人に食われていく。オデュッセウスが一計を案じ、ワインを作って巨人に飲ませて眠らせ、眼をつぶし羊の腹の下に隠れて逃げ出す。怒った巨人が追いかけてきて漕ぎ出す船をめがけて岩を投げる。タオルミーナの海岸に散っているのがそのときの岩らしい?

~ アクセス ~
 鉄道 
メッシーナ⇒タオルミーナ fs EX R 40分 (30分に1便)
ラピドRapido(R)
 一般特急列車。特急料金が必要。
エスプレッソEspresso(E)
 長距離を走る急行列車。急行料金は不要。
ディレットDiretto(D)
 いわゆる準急列車。急行料金は不要。
ローカレLocale(L)
各駅停車。

 レンタカー 
ハーツHertz社やエイビスAvis社は、日本の支店で予約ができるので便利。
 日本ハーツ海外予約センター
 ?0120-489882
 エイビス・レンタカー
 ?03-3583-0911
また、イタリアで最も大きいレンタカー会社はマッジョーレAutoservizi Maggiore社(Via Po.8aRoma ?06-8541620)で、大きい町にはたいてい営業所がある。
 バス 
メッシーナ⇒タオルミーナ INTERBUS 1時間10分 
(平日10分〜1時間30分に1便、??1〜4時間に1便)
イタリア中に張り巡らされた高速道路を走る中・長距離バス、プルマンPulmanがある。切符は専用バスターミナルの窓口で買える。




   参考資料:地球の歩き方         
        個人旅行イタリア       
        私のギリシャ神話 阿刀田高 著

このページトップへ       旅行記目次ページへ       関西HPトップへ