ネパール・アンナプナ東街道ヒマラヤトレッキング〜に参加加して

Hl91018日 〜 Hl9117日(20日間)

奥田 詳子
始めに

“ネパールトレッキング”は、かねてからの私の念願でした。
 ロングステイクラブ入会早々”会報”を目にした時、”ネパールトレツキングのお誘い旅行があるのを知り、是非参加してみたいと思いました。

 しかし、トレッキングの案内には、他の参加者は何回か参加されている様子で、今回のアンナプルナコースは5400mの標高があるトロン峠越えがあり、一方通行で折り返しはなしとの内容。初参加の上、多分一人参加になる私は、高山病の心配(富士山しか登ったことないし・・)と、不安材料ばかりで躊躇していました。

 そんな中、リーダの梅津さんより「歩くことが好きなら大丈夫…、1人参加OK」と、また、参加メンバー表(生年月日記載あり)頂き、“歩くことには自信がある”“少しでも若いうちに”と、即参加を決めました。

行 程




関空→タイ(1泊)→カトマンドウ(1泊)‥・・‥・‥タイ航空

カトマンドウー→ベシハサール     ・・・・・・・・・ワゴン(ルーフにも5人
                               ・荷物)

ベシハサールー→ブルグレ       ・・・・・・・・・4輪駆動車
                              (凸凹凸の、時には川の
                               中を横切るオフロード
                               コースの道)

トレッキングコース(14日間  ロッジ14泊)

 標高840mのプルグレ出発(予定は、ベシハサール)
5416mのトロン峠越え→3760mのムクチナート→2710mのジョムソンまで14日間テクテク歩くコースです。

 ベシハサールからマルシャンディ川を通行し、トロン峠の源流を見届け、更に分水領となるトロン峠からカリンガラダギ川への流れと共に歩くという一見ロマンチックなコース。

 始めのうちはグルン族の牧歌的な村々、稲・粟・稗などの実る段々畑・田んぼの傍らを、杉・松林の中の林道(ラバ・馬の運送屋さんしか見かけないのに、何故か広い)のんびりと。

 標高が上がるつれ、、チベット的な荒れ地と変わり、放牧された山羊の餌は何処に?と、花も高山植物を見かける程度の荒れ地。幾度となく、マルシャンディ川の流れる谷間に下り、又、上り、谷間に架かる長〜く

、ゆらゆら揺れる吊り橋を渡り(馬もラバも、ヤギの隊列も一緒)アンナプルナの雪山ピークを見上げ、だんだん薄くなっていく空気を感じながら、宿泊地の村から次の村へと歩きます。

宿泊地(@は一泊のこと)

   ブルグレ@→バフンダンタ@→チャムジェ@→バガルチャップ@→チャーメ@→ピサン@→マナンA→
    (840m       1389m)         143Om          2164m)          2713m    3190m    3469m

   ヤクカルカ@→トロンフェディ@→ムクチナートA→カグベニ@→ジョムソン@
     4030m        4441m)          (3798m)          2807m      2710m

 

  ジョムソン→ポカラ(ホテル1泊)→カトマンドウ(出発時を含めて3泊)・・・・・・・飛行機
  カトマンドウ→タイ→関空                      ・・・・・・・飛行機

参加者エピソード

トレツキング参加者10名(関東7名・関西3名・ロングステイ会員6名・男性7名・女性3名)の内、初参加者は2名。他の8名はリピーターで最高8回目。7回目、6回目…の参加と、大自然ネパールの魅力でしょうか。年齢構成は、72歳の人を筆頭に全員60歳以上、平均6566歳位?という人生・経験豊富な方たちばかり。山歩きに関しては、標高600mの高尾山しか登ったことがない。ネパール行きに備えて富士登山した。東京近郊山歩きではリタイアするのに、不思議とヒマラヤトレッキングには“強い”人。

膝の痛みで、痛み止めを欠かせない。山歩き経験豊富で、トレッキングに自信のあった人も高い山には弱かった。抗ガン剤治療後、死の半年前にトレッキングに参加された・・・など。“ネパールトレッキング”は、回を重ねる毎に数々の謎とエピソードが生まれました。

今回のコースは全周すると17日間の長期トレッキング。5416mのトロン峠越えもあり、日本人トレーカはあまり歩かないかなりな難コース。ロングステイクラブとしても、8回目にして漸く実現したコースで、躊躇しながら参加した方もあったようです。

サポート体制

トレッカー10名に対して、ガイド・シェルパー4名、クッカー1名、ポーター6名(内1名体調不良の為途中で引き返す)でサポートは10名体制。(昨年の記録によると、10名のトレッカーに対して20名のサポートあり)

今回は人手不足?の為か調理器具、食料も現地調達。ガイド兼、我々の荷物を担ぐという具合であった。

費  用

内容

金額(円)

航空券(タイ航空)

153,000

関空施設利用料

2,650

タイ国内旅客サービス

2,800

航空保険超過負担料

2,800

燃料チャージ

15,200

ネパール内航空運賃(バス代)

18,125

トレッキング許可書

4,375

ポカラ1泊

1,875

雇用者費用

8,500

トレッキング費用(ガイド、ポーター、宿泊、夕食代)

98,750

タイのビザ・食事など

4,000

ネパール出国税・ポーターチップ(マオリ対策)

17,000

ディナーパーティー費用

2,500

ガイドチップ

1,250

ホテル宿泊費 タイ1泊

2,150

カトマンドウ 1泊

6,750

日本食準備費

2,436

小遣い、土産代など

13,000

海外保険料

8,000

合計

365,161


トレッキングを無事終えて

1030日、トレッキングを開始し9日目早朝330分、いよいよトロン峠に向かって歩き始める。月明かり、ヘッドライトで道を照らしながら岩場、瓦礫の道を歩き、又、5000mを越す頃より雪渓の中を歩き進む。

  8時45分、無事全員トロン峠、5416mに到着 気圧:529hPa

空気の薄さはそれほど感じない。1日のうちに1000m近く上がり、1500m下るというコース最難所。途中、馬に乗った人も乗らなかった人も、全員無事到着したことを喜ぶ。

(緊急用に馬3頭をを5000m地点で待機させていた。)

トロン峠の周りは全て6000m↑の山々、雪山ピーク(カツンカン、6384m)登山している4人が小さく見える。

ネパールでは、“雪線を越える6000m以上のピークを征服することを登山、それ以下の山々を歩くことをトレッキングと区別する。5000m〜6000mの山々には名前さえついていない。万年雪から豪快に水しぶきを上げて流れ落ちる数々の滝にも名は無い。4000m地点を歩きながら、見上げるあの山は、”一体どのくらいの高さ?5000m?7000m位かな“など・・・と、日本の山々とはスケールが大きく違い戸惑うことも多い。

大自然の中を歩きながら・・・、日本の何処かの村から村へ、段々畑の田園風景の中を、高原を、山〜谷〜山へまるでハイキングしている気分だった。

車も、自転車も、テレビ・電気(ロッジでも十分すぐ消える)も機械も何もない、一見文明に取り残されたような・・・生活。でも、皆、生き生きしている感じだ。

“歩く”ことは、毎日の生活の中では当たり前のこと。村の人達は、歩かなければ何も出来ない。“歩く”ことが当たり前であるように、段々畑を耕し、重い荷物を背負うことも当たり前なのかもしれない。

昼食に、今日の宿の村々に着くと「ナマステ」「ナマステ」あちこちから声が行き交う。恥ずかしそうに、はだしで、鼻水たらしながら、子供達が挨拶してくれる。キャンディを貰おうという魂胆もあるらしい。キャンディ1個出すと、あちこちからびっくりする程子供が群がり集まる。子供の頃「ギブミー、チョコ」と言って先生に叱られたと懐かしんでいる人もいたが・・・。数十年前(50年くらい?)の日本の子供達と一緒だ。

アンナプルナの村々を歩きながら、私たちが何処か忘れてしまった“心の故郷”を見つけたような気がする。

ネパールトレッキングへ再び

 2008年秋、“ネパールトレッキング”(梅津さんのお誘い旅行)は、マナスル周辺を企画されています。

(当初、4月“エベレストとラリーグラス”の予定から変更)

 トレッキング出発前、“歩きに行く?一人で?物好きに・・・”と私は、あまり羨ましがられず、不安もありました。でも、メンバーは、リピーターが多く、今までの経験から無理な行程は組まず、食事面でも“胃にやさしく・・・”と、日本食も随時取り入れ、全員毎日元気に歩くことが出来ました。ネパールの大自然に触れ、雪山ピークを、氷河などを目の当たりにして、子供のように歓声をあげる・・・、そんな毎日でした。

 来年、雨期を終えた10月頃、何処までも広がる青空の下“マナスル”の麓を歩いてみませんか。

“歩く”ことに自信のある方、ない方も是非ご参加を。きっと、ネパールの地が後押しして歩かせてくれます。

 最後になりましたが、リーダーの梅津さんはじめ皆様大変お世話になりました。

14日間という長丁場のトレッキングにも関わらず、あっという間に過ぎたような気がします。

 再び、参加出来る日を期待しています。

以上

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