香港通信

2013年1月
神原克収


今も残る昔懐かしい香港の 風情


目次


1.初めての香港 2.LCCの威力
5 老人優遇 6 マカオのカジノ
7 マカオは疑似ラスベガス 8 何事もスケールが大きい
9 香港とアヘン戦争(1) 10 香港とアヘン戦争(2)
11 香港とアヘン戦争(3) 12 香港とアヘン戦争(4)
13 猫も杓子もケイタイ 14 不合理な価格
15 値上げメニュー


1.初めての香港
 香港を訪れるのは初めてではない。しかしそれは25年も前のことで、今回来てみて懐かしく思い出せる風景は殆ど皆無であった。街は綺麗になり、前にも増して高層ビルが林立し人々の服装は垢抜けて全く初めて来た国のようだ。
 今回は家内と2人だけの気ままな旅で、何の制約もなくただ気の向くままに放浪するのみである。その中でアヘン戦争の痕跡は残っていないか、中国に返還された影響がどこかに顔を出していないか、などを気にしながら歩いてみたい。
 そのあと2年ぶりのチェンマイを経て、ここ数年毎年行っている台湾を廻わる約2か月の旅のご報告をします。
 例によって素人の独断と偏見の塊のような報告で、正確性を欠いたものであることを予めお断りしておきます。拙文にお付き合い下されば望外の幸甚であります。
以下現在の香港を象徴する写真を4点ご覧下さい。
九龍側に設置された数Kmに及ぶ遊歩道、対岸は香港島、昔は船の往来が激しかったが今はその面影はない
林立するビル群 今も続く開発、街中工事だらけ

2.LCCの威力
 今回は飛行機での移動が多い。下記の通り、乗り換えも含めると10回も飛行機に乗る。
①関西~香港 ②バンコク~チェンマイ ③チェンマイ~バンコク~ホーチミン~バンコク~
チェンマイ ④チェンマイ~バンコク~台北 ⑤台北~関西  
 以上全てLCC(Low Cost Carrier格安航空会社)を利用し、これだけ乗って一人ピッタリ10
万円*!(機内預け荷物は20 Kg、座席指定料、空港利用料、税金等全て含む)。いかに今まで
の飛行機が高いかお判りいただけよう。
*$1=80円未満の時購入したので、今なら1割強アップする。
 因みに利用する航空会社はピーチアビエーション2回、エアアジア6回、バンコクエア1回、中
華航空1回である。これだけ安い価格設定でも、これらの航空会社の経営は順調と聞く。既存
の航空会社が《規制の傘》の下でいかに経営努力を怠ってきたことか!
 翻ってTPPへの参加も煮え切らない。農家への配慮だろうが、過去膨大な予算を農業に投
入しながら、未だに独り立ち出来ない。過保護が如何に業界を弱くするか、判り切ったことだ
が政治家にはそれが判らない。いや判っちゃいるけど票の為なら止められない!政治家諸君、
少しはLCCを見習い給え!


LCCアジア地区の雄、エアアジア

ANA系列で人気急上昇中のピーチ

タイ・ドンムアン空港 チェックインカウンターにはLCCが軒を連ねている

エアアジアのカウンターはいつも混んでいる

LCCは圧倒的な安さで急速に存在感を高めている。その秘訣は徹底したコスト削減である。
LCCの雄、エアアジアで気になる動きが2つあった。一つはホットシートという上級座席である。
これは若干座席幅を広くしたり、キャンセル・変更を可能にしたりする優先座席で、香港~バンコクで普通席20HK$に対して85HK$で、全体の23%の席を割り当てている。目見当で普通席はほぼ100%、ホットシートは50%の搭乗率であった。計算してみると全席が満席になれば、エアアジアの取り分は6%の増収になるが、今回のように50%の搭乗率なら逆に5%の減収になる。ビジネス客を取り込もうという戦略と思うが、徹底した低価格戦略の軌道修正で気になる。
 今一つは機体の塗装である。同じエアアジアでも会社は5つに分かれている。日本に入っているのはエアアジアXとエアアジアジャパンである。今回搭乗した便はタイエアアジアでこの機体はお馴染みのデザインとはやや異なる。
 機体の塗装など大したコストではないだろうが、こうした僅かの積み重ねが今日の低コストを実現したもので、同じデザインの方が安いに決まっているし、ブランド戦略からしても同一デザインが有利だと思うのだが・・・。会社が違うとそれぞれの会社のエゴが出るのか?

優先座席、搭乗率は約半分であった。
普通席はほぼ席。

お馴染みのAir AsiaではなくWORLD'S BESTの表示
さすがに色のイメージだけは統一している。

機体は到着後すぐ出発する、LCCターミナルでは駐機してる飛行機は非常に少ない

「週末難民」なんて言葉があるのかどうかは知らないが、これを週末難民と言わずに何と言おう。
香港の超一等地で週末ごとに発生する現象である。
 香港の顔とも言うべき国際金融センターのビル群を結ぶ回廊や周辺道路は週末ともなると
若いフィリピン人やインドネシア人でごったがえす。
通路に段ボールやシートを敷いて座り込み、食事をしたりお喋りしたり、トランプに興じたりしている。その数たるや数千人はいる。
かなり広い地域に分散しているので、或いは1万人を超えているのかもしれない。とにかく凄い人数だ。
 彼女たちの正体は中流以上の家庭で働いているメイドたち。雇い主が週末を家族水入らず
で過ごすためメイドたちに休みを取らすのだそうだ。
家におれない彼女達は一等地の金融センター近辺に集まり、同じ国のメイド同士情報交換したり、愚痴を言い合ったり(これは私の勝手な想像)して、ひなが1日をここで過ごす。そのため朝食や昼食におやつまで持ってやってくる。
 若いだけに弾けるような笑顔で過ごしている人も多いが、中には物静かに座り込んでいる
女性も目につく。格好の息抜きの場と前向きに捉えるか、週末難民と捉えるか、何とも形容しがたい気持ちにさせられる風景ではある。

まだ早い、これから続々集まってくる。ダンボールで席取りか。

占領されたビル群の連絡回廊

道路も占拠、その上の回廊も占拠

踊っている人たちもいる

月曜日の回廊、週末の姿は欠片もない

5 老人優遇
 日本では若者よりも老人優遇が目立つ。医療費然り、年金然り。
それでも交通費や美術館等への入場料などでの老人割引は台湾や香港などと比べると格段に劣る。一般論で言うと概ね交通費は半額、入場料は無料というのが相場である。
 今回香港での交通費には感激した。
日本でいうスイカとかイコカと同じ機能の「オクトパスカード」というのがある。
65歳以上でこのカードがあれば地下鉄全線で距離に関係なく1 回2HK$(22円)。
因みに通常大人料金は最短区間で4HK$(44 円)、最長区間で24HK$(264 円)で、老人が如何に優遇されているかお判りいただけよう。
 観光地でも入場料は殆ど無料で円安で苦しい財布事情が少しとは言え緩和される。
マカオの入場料事情も概ね香港と同じで老人優遇。
余談ながら香港では地下鉄の切符は窓口で買うとオクトパスより少し高い。
日本の高速代が現金よりはETCの方が安いのと同じ理屈だろう。
 また、マカオの通貨はMOP(パタカ)で香港ドルと同じレート。
マカオでは香港ドルがそのまま通用し、MOPへの両替は必要ない。
逆にマカオの通貨は香港では使えない。

$70のうち$50がデポジットで、帰国時は窓口で返金してくれる。

老人は子供より優遇されている

オクトパスカードであれば、この電車は全線で1回HK$1.1(12 円)

朝夕は込み合う地下鉄車内、席を譲ってくれるのは5回に1回くらい

6 マカオのカジノ
 カジノというとラスベガスを思い起こす人が多いだろう。現在世界NO.1のカジノはラスベ
ガスではなくマカオである。
 香港からマカオへは高速船で1時間の距離で、15分毎に出ている。マカオに降り立って目に
つくのは巨大なカジノで、どこへ行ってもカジノ、カジノのオンパレード。現地での表示は「カジ
ノ」ではなく「娯楽場」。
 高速船ターミナルから街の中心部までタクシーで10 分、220円の距離。ここで先ず目に付
くのはリスボアホテルのカジノ。下手な説明よりその凄さ、奇抜さは写真でとくとご覧あれ。と
言っても建物がデカ過ぎてまともに写真が撮れない。遠景写真ではその凄さが伝わらない。
ホテルのHPを探してもこれという写真は見当たらない。
 それにしても凄い数のカジノがありながら、更に街の至る所で工事、工事、工事。それもドデ
カイ規模の工事がいくつも進行している。これらの殆どにカジノが入るのであろうが、これだ
け集積すると世界から客を吸引出来るのであろう。大阪市の橋下市長が大阪でカジノ構想を
ブチ上げているが、恐らくマカオのカジノを見ての着想に違いない。でも生半可な規模では世
界から客は呼べないと思うのだが・・・。

奇抜なデザインのリスボアホテルのカジノ

デカ過ぎてまともに写真も撮れない

ギア要塞からリスボアHカジノを臨む

大きなビルには殆どカジノが入っている

それでもカジノは増殖中

カジノ街(と言っても街中カジノだらけだが)の夜景

7 マカオは疑似ラスベガス
 マカオのカジノ収入はラスベガスを抜いて世界一になったが、ビジネスモデルはラスベガス
の模倣としか思えない。もっとも経済の専門家ではないので定かなことは解らないので素人
目にそう感じるだけのことかもしれない。
 それにしても雰囲気がラスベガスそのもので、写真だけ見たらラスベガスと勘違いするくら
いよく似ている。徹底的にラスベガスを研究し尽し模倣したに違いない。臆面もなく模倣し元
祖を追い抜くのは昔日本が辿った道に似ているが、日本の場合は徹底的に日本ナイズして、
元祖の追随を許さないレベルにまで引き上げた点が大きく違うところであろう。
 その昔、香港・マカオは偽物ビジネスで鳴らしたお国柄なので、そのDNAは中国も含めて今
でも脈々と生き続け、大いなる武器となっているのは間違いないであろう。
 それにしても香港・マカオの投資意欲は留まるところを知らず今でもクレーンが林立してい
る。無用の規制がないからこそ世界の資金が集まって来るこの姿を日本の政治家はどのよう
に見ているのであろうか?

どこかで見た風景?

ホテルの壁を使った映像ショウ、後ろのホテルに見覚えない?

見事なショウ、でもラスベガスにはやや及ばない?
噴水ショウの動画
https://www.youtube.com/watch?
v=VZsbrN6O3cE&list=UUAJ5NOJ_
4Ed84plO0DJGfsw&index=1

8 何事もスケールが大きい
 香港・マカオは何事においても発想のスケールが大きい。以前ラスベガスで街づくり構想の
大きいことに度肝を抜かれた。今回もマカオのカジノ立国構想のスケールの大きさに舌を巻いた。
 今回さらに驚いたのは香港の「昴坪360」というケーブルカーである。地下鉄(MTR)東涌線
終点の東涌駅から実に5.7Km先の昴坪という山の中腹までケーブルカーを運航している。
昴坪には高さ34mという馬鹿でかい仏像が鎮座しているが、それ以外に何もない山である。
 何とその仏像のある山までケーブルを張ろうという、何ともはやスケールの大きい話である。
仏像のある山腹に立派な伽藍があるのだが、そのすぐ後ろに更に馬鹿デカイ伽藍の工事が進行中。
起点となる東涌には巨大なアウトレットモールを造り、実に見事に集客をしている。
 我々が行った日は土曜日ということもあって、昼ごろにはケーブルカーに乗るための行列
が延々と続いていた。また、巨大なアウトレットモールにも人がごった返していて、5.7Kmとい
うキチガイじみたケーブルカーも立派に経営が成り立っているに違いないと実感させられた。
 それにしてもスケールの大きな話で、日本でこんな話は「大風呂敷」と一蹴されるに違いない。
この彼我の差はどこから来るのだろうか?

ケーブルカーの始発駅、左側のビルはアウトレットモール

ケーブルカーは山をいくつも越えて行く

ケーブルカーの終点に鎮座まします大仏様

大きな伽藍の後ろに更に大きな伽藍を建設中

ケーブルカー乗車待ちの行列、1時間待ちとのこと

9 香港とアヘン戦争(1)
 香港というとアヘン戦争を真っ先に連想する。ここでアヘン戦争に関する歴史のおさらいをしておきたい。
 アヘン戦争はご存じの通り1840年に始まり1842年にイギリスの勝利で終結した。ことの始まりは19世紀前半の清英貿易でのイギリスの大幅な入超対策としてインドで生産したアヘンを清に密輸出したことに端を発している。イギリスの目論見通り清英貿易の立場は完全に逆転し清の大幅入超と変じた。
 この事態を重く見た清は国民の間で広まる深刻な健康被害を防ぐのと、貿易収支改善の為、アヘン取締りを強化することとし、時の皇帝道光帝は1838年に林則徐を欽差大臣に任命し取り締まり強化を命じた。
 林則徐の徹底的なアヘンの取り締まりの結果、アヘン商人との対立は極限まで高まり、イギリス兵士の住民殴殺事件を契機として戦争へと発展した。勝利したイギリスは香港島の領有を勝ち取り終結(南京条約)、その後アロー戦争(1856~60年、第二次アヘン戦争とも言う)を経て九龍半島の割譲をも勝ち取った(北京条約)。
香港歴史博物館にはアヘン戦争に関する資料や写真が多く展示されている。それ以外にも当時の写真や文物、人々の生活振りなどが多角的に展示されていて大変興味深い。

香港割譲を定めた南京条約文書のコピー。コピーとも思えないリアリティがある。

博物館内には林則徐の像がある。後ろの箱はアヘンを運んだ箱

林則徐が英国麻薬商人から押収した麻薬の海洋投棄風景を再現したジオラマ

アヘン戦争当時使用した大砲と砲弾

10 香港とアヘン戦争(2)
 アヘン戦争で大きな役割を果たしたのはウイリアム・ジャーディンとジェームス・マセソンという2人のアヘン商人である。
2人は1832年にジャーディン・マセソン社(怡和洋行)を起し、アヘンで巨額の富を蓄えた。林則徐のアヘン取締りは2人にとっては死活問題で、本国政府に対する
政治工作と議会工作で清との戦争に踏み切らせた。のみならず自らも軍艦を出すと共に清の地図や情報を提供し、アヘン戦争勝利の立役者となった。
 それ以後もアヘン戦争勝利の論功行賞により香港での絶大な影響力を行使できる地位を確立し、植民地初期の香港経済を牛耳る存在になった。
 (以下ウイキペディアからの引用)2人が創立した怡和洋行は現在でも香港で重きをなす企業集団でフォーチュン・グローバル500の411位にランクされている。香港上海銀行(HSBC)は怡和洋行が香港で稼いだ資金を本国に送金するために設立された銀行である。
  怡和洋行は日本とも繋がりがある。日本ではジャーディン・マセソン商会として1859年に横浜支店を出し、伊藤博文などのイギリス留学を支援している。
また、長崎ではグラバーがジャーディン・マセソン商会の代理店としてグラバー商会を設立、坂本竜馬、岩崎弥太郎や五代友厚などを支援している。
(以上ウイキペディアからの引用終り)(写真2枚ウイキペディアからの借用)

ウイリアム・ジャーディン   

ジェームス・マセソン

香港博物館にあるHSBC初期の社章

香港金融街にあるジャーデォインハウス

11 香港とアヘン戦争(3)
 香港にはアヘン戦争の痕跡は殆ど見当たらないが、イギリスが最初にユニオンジャックを掲げた場所が残っている。
香港島中心部の西側、上環地区に「水坑口(possession point)」という標識が立っている。
占領地点ということで、この地に1830年イギリスが最初に上陸したことを示している。
更に「水坑口街」という100mちょっとの小さな通りがある。
 以上の謂れはすぐ近くにある「荷李活荷道(ハリウッド)公園」に小さく記されているだけである。
因みにこの公園は現在は海岸から随分離れているが、当時はここが海岸線であった。
 アヘン戦争に絡んでもう一つ痕跡が残っている。香港で最も賑やかな尖沙咀地区の「九龍公園」にある砲台跡である。
この砲台はアヘン取締りのため清の道光帝に欽差大臣として派遣された林則徐が築いたもので、アヘン戦争時にイギリス軍がこの砲台を攻撃している。
そもそもアヘン戦争の引き金になったのは尖沙咀村で起きたイギリス兵による村民殴殺事件であり、
この地はアヘン戦争に大きく関わっている。

100 mほどの小さな通り

ポゼションポイントの標識と説明文

ポゼションポイントのあるハリウッド公園は市民憩いの場

林則徐が設置したと言われる砲台

12 香港とアヘン戦争(4)
 すでに触れた通りジャーディンとマセソンという2人の麻薬商人はアヘン戦争に大きく関わっている。
というよりはアヘン戦争を引き起こした張本人と言っても過言ではないだろう。
 この2人がここ香港でどのように扱われているか、大いに興味があった。
2人が起こしたジャーディン・マセソン社(怡和洋行)は当時の香港経済を牛耳っていただけでなく、その後もしぶとく生き残り今日まで大財閥としての地位を維持している。
 香港の一等地の多くはアヘン戦争勝利の立役者ジャーディン・マセソンへと払い下げられたため、香港の繁華街には2人に因んだ名前が現在でも多く大手を振って生き延びている。
いくつか列挙してみよう。
①香港の中心地、金融センター街には怡和大厦(ジャーディンハウス)が鎮座している。またジャーディ ンストリート(怡和街)という名前も見られる。
②香港で最も人通りの多い交差点は銅鑼湾地区のそごう百貨店前と言われている。そのすぐ近くにジャーディンズバザール(渣甸街)、ジャーディンズクレセント(渣甸坊)、マセソンストリート(勿地臣街)などの名前も残っている。
③ジャーディン橋(渣甸橋)、ジャーディン山(渣甸山)といった名前もある。
 こうしてみてくるとアヘン戦争に対する現地感情は私が思い描いていたものとは大きく異なっていることを痛感した。
数年前ペルーへ行った際にも感じたのだが、徹底した文化破壊と富の収奪の限りを尽くしたしたスペインに対する感情も穏やかで、中国や韓国の日本に対する感情と大きな隔たりがある。植民地政策の巧 拙だけで済まされる問題でもなさそうだ。

13 猫も杓子もケイタイ
 日本でも電車の中など猫も杓子もケイタイと睨めっこしている。香港でも事情は同じで観光客を除く乗客の半分以上はメールやゲームに熱中している。
車内で電話している人もいるが数はそんなに多くない。しかも中国本土と違いそれほど大声ではないので、車内は日本ほどではないが比較的静かだ。
 街を歩いていても歩きながら電話している人の多さは日本も香港も変わらない。
日本人は外国人から見ると忙しなく動き廻っているように見えるらしいが、香港は日本と同等かそれ以上に忙しない。
 タブレットの普及は日本以上に進んでいる感じで、子供でも所持している子が日本よりは多いと感じる。写真撮影はデジカメよりスマホやタブレットでの撮影が多く、情報武装という面では日本よりは先に進んでいるようだ。
 我々老人も若干の背伸びをしながらでも情報革命について行かないと、そのうち生きた化石として埃を被った置物として忘れ去られるに違いない。
 「メール?インターネット?俺はそんな軟弱なものはやらない」と強がるのはそろそろ止めた方がいい。

この風景、日本と同じ

満員でもなんのその、ケイタイ無くして何が人生?

ケイタイショップ、この風景も日本と同じ

ハード「0円」、この商売手法は世界共通か?

1 4 不合理な価格
 香港でも日本と同様なビュッフェスタイルの食事が出来るところがある。所謂バイキングというものである。
外国旅行をしているとどうしても生野菜の摂取がままならず、それをカバーするにはバイキングが最適だ。価格的にもアラカルトよりはお得感がある。
 香港でも例により昼食でバイキングの店に入った。料理も期待通りで良かったのだが、仕上げのデザートに合わせてコーヒーを頼んだ。
値段は350円で格別に高いわけではないのだが、バイキング料理の値段が1,080円でコーヒー一杯がその1/3というのは如何にも腑に落ちない。
 コーヒーが高すぎるのか、それともバイキング料理が安過ぎるのか?この手の商売手法は日本でもよくある手で、どこの国でも商売人の考えることは同じということか。
 プリンターとインク、車と純正部品、エレベーターとメンテ費用などの関係も全く同じ商法で、「品」のないこと夥しい。
 こうした商法に対抗するにはインクなら互換性のある詰め替え用、車部品なら純正ではなくオートバックスで、薬ならゼネリックでという風に消費者がブランド信仰の呪縛から目覚める以外にない。


ホテルの朝食(あと2皿ある)も生野菜はない

果物を野菜代わりに
この野菜(菜心だったと思う)はよく食べた、美味しい。因みに写真の4品で510円

余談ながら寿司は至る所で売っている、因みに写真の寿司で660円/パック
15 値上げメニュー
 日本の物価は長い間落ち着いたままだが、香港、タイ、ベトナムなど今回訪れた国々ではインフレで物価上昇が激しい。
このためレストランのメニューは値段を書き換えたものが横行している。
値上げの頻度が高いから印刷が間に合わないのか、印刷コストを抑えるための見合わせか、多分後者であろう。
 日本では2%のインフレ目標達成の為、なりふり構わぬ国債発行が行われている。国の借金が1,100兆円(GDPの2.4 倍)を超えているにも拘らず更に借金増加に拍車が掛かる。
このまま行けばブレーキの利かないハイパーインフレと超円安に見舞われ、レストラン等で香港と同
じ価格表示風景が見られると思うと空恐ろしい。
これが空想になることを願わずにはいられない

店のメイン看板でもこの調子

横着せずにせめて紙でも貼ったら?



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