ミャンマー通信
2004.Jan 少年探偵団 神原克収
目     次
1. 豊かなミャンマー 7. 外国人価格
2. 貧しいミャンマー 8. 個人旅行
3. 日本車は強し 9. 病院に駆け込んだ
4. パゴダの国ミャンマー 10. チップについて
5. 寄進に熱心なミャンマー人 11. スーチーさんのこと
6. ミャンマー人のおしゃれ
ミャンマーは「世界の最貧国の一つ」というのが日本人のミャンマー観であろう。
ところが首都ヤンゴンの街を見た最初の印象は決して豊かではないが「貧しくない」であった。街は整然としていて緑は多く、市場には食料品や衣料品が溢れている。
乞食らしき人も見当たらない。その後ヤンゴン以外の街をいくつか廻ったが、ヤンゴンで受けた第一印象は最後まで変わることはなかった。以下ミャンマーについての雑感をお届けする
1豊かなミャンマー

すでに述べたように市場には食料品、衣料品、生活雑貨が溢れている。食糧は豊富で地方へ行けば自給自足の生活であるだろうし、自給出来ない人でも価格が信じられないくらい安いので食料に困っている人はいないようだ。万一困っている人がいてもお寺に行けば食糧は恵んでもらえるし、生活にゆとりのある人が貧しい人に恵むことは当然のことで、従ってミャンマーでは飢えている人は皆無と言って差し支えないのである。
 住民の着ている服も決して上等ではないが小奇麗にしている人が多くボロを纏っている人は少ない。もともと暑い国なので衣類はそんなには必要ないのも事実である。
履物はセッタが圧倒的に多く、後で触れるが街全体が埃っぽいので彼等の足元は埃まぶれであるが生活に支障があるわけではない。
観光地で車を降りると数人の子供や女性がみやげ物を売りに寄ってくる。中には「マネー、マネー」と物乞いもいるが数は少ない。物売りもそんなにしつこくはなく、要らないと言えばあっさり退く。観光地以外の町中で物乞いに付き纏われることは全くない。
 住宅は外観しか分らないが少なくとも外から見て貧困を極めているという状況ではないように見える。
 朝早く町に散歩に出て驚くのは散歩、ジョギング、体操などをしている人が多いことである。思うに食うに困っている人達はこんな事はしないだろうから、衣食住という最低限の生活は確保されているのではないだろうか。

2貧しいミャンマー
 衣食住という生活の基本的用件は満たされているようだが、工業製品は極端に不足しているように見える。市場で売られている生活雑貨も手作りに近いものは豊富にあるが工業生産品は真に貧弱。アジアの国はどこでも日本のボールペンを欲しがるが、ミャンマーでは特に貴重品なのであろう、よくせがまれる。
 目を覆いたくなるのがインフラ整備の遅れである。
@ヤンゴン市内の主要道路は舗装はされているが痛みが激しく、車中で書き物をする のは誠に困難。車中から写真を撮るなど相当の手振れ覚悟でないと撮れない。
 地方都市では幹線は舗装されているものの1車線分しか舗装されていないので、対 向車がくると舗装をはみ出るて濛々たる土埃が立ち上がる。こちらの土は粒子が大 変細かく上がった土埃はなかなか静まらないので町はやたらと埃っぽい。
 ミャンマーで都市間を移動する場合、時速50Km以上で走れる区間はそんなに多くなく、未舗装道路なら10Kmか20Kmでしか走れないところも沢山ある。距離は短 くても大変時間が掛かるので移動は飛行機での移動が中心になり、ミャンマー旅行 は高くつくのである。
Aケイタイ電話はミャンマーを一週間旅して一度もお目に掛かれなかった。勿論売っている店も見なかった。日本のように若者が歩きながらでもメールをしている姿などミャンマー人から見ればまさに異邦人であろう。
 パソコンも業務用には使っているようだが、パソコンショップは何処にも見当たらず民生用には全く普及していないのではないだろうか?
B停電は日常茶飯事のようで、たまたま夜ヤンゴン市内を走っている時周囲が急に暗くなった、停電である。田舎へ行けば電気は夜の決められた時間帯しか使えない所もあるとガイドが言っていた。それでも全体の電力需要も落ちているらしく、最近は停電回数は減少気味とこれもガイドの話。
 そう言えばラオスはミャンマーへの電力売却が外貨獲得の大きな柱になっている。
 最近ミャンマーの電力需要が落ち込みラオス経済に打撃を与えているとガイドブックに書いてある。それだけミャンマー経済が停滞し電力需要が落ちているのであろう。
このようにインフラ整備は極端に遅れており工業は稚拙な段階で留まっている。
軍事政権が続いて国際的孤立が長引き外国の援助や投資がストップしている付が如実に現れている。この面から見れば「世界の最貧国の一つ」というレッテルもあながちオーバーではないのであろう。
3日本車は強し
ミャンマーで車を見ていると実に不思議で楽しい。
@ミャンマーは日本と反対に右側通行である。従って車は左ハンドルかと 思いきや何と90%以上が右ハンドルである。乗用車のドアは左右両側に 付いているから良いが、バスやワゴン車のドアは左側のみ。従ってこれ らの車からの乗降は歩道側ではなく車道側というケッタイなことになる。
Aミャンマーで走っている車を見ていると不思議な感覚に囚われる。日本 語が氾濫しているのである。○○株式会社、△△交通、××バスなどと表示した車がいっぱい走っている。
バスやマイクロバスには「入口」「出口」「自動扉」等の文字が見て取れる。これらの車の中に入れば「非常扉」「お降りの方はボタンを押してお知らせください」「急ブレーキをかける場合がありますのでご注意ください」等々日本語表示が目白押し。
 そう、ミャンマーでは日本の中古車(廃車されたものだろう)が幅を利か せているのである。
B日本の中古車をそのまま使っているので、右側通行にも拘らず右ハンドル や左ドアという奇怪な現象がおきる。左ハンドルや右ドアに付け替えれば良いのだがお金がないのだろう。日本語に文字も消すにはお金が掛かるしむしろ消さないほうが格好がいいのである。消さないどころか日本も字を わざわざ書いていることも多い。大という字が上下逆になっている微笑ましい現象もご愛嬌である。
 それにしても何故日本車ばかりなのであろう。安い韓国や中国の車が何故無いのだろう。理由は簡単、日本車は故障しないからなのである。韓国製、中国製の中古車(新車は高い)も導入されたようだが日本車に比べ故障が多く自然淘汰されて日本車だけが生き残ったというわけ。しかも中古車に必需の部品は当然日本車のものしかなく、シェア90%以上を獲得している。誠に爽快な気分である。
Cこれだけ右ハンドルの車が多いのに何故左側通行にしないのだろう? ミャンマーはイギリスの植民地だったので独立当時はイギリスに倣って左側通行であった。ところがどういうわけか分らないが1975年に右側通行に変更している。わざわざ便利の悪い方へ変えているのである。理由は不明だが私の想像ではイギリス統治時代の名残を消すささやかな抵抗としか思えない。
4.パゴダの国ミャンマー
先ずは基礎勉強から。お寺とパゴダとどう違うか?
今回ガイドに教えられたことを受け売りしたい。
お寺は中に誰でも入れるがパゴダは誰も中に入れない。即ち入口がない。
勿論パゴダのある周辺の建物には入れるがパゴダそのものの中には入れないということである。
ヤンゴンにミャンマーを代表するシエダゴンパゴダがある。金ピカで、驚くべきはここに使われている金は60トンという。それ以外にパゴダの天辺近くには無数の宝石が嵌め込まれたり、ぶら下がったりしている。
                                さらに誰も入れないパゴダの内部にはどんな金銀財宝が入れられているのか誰にも分らない。
 規模はこれほど大きくはないがミャンマーには無数のパゴダがある。
ではどれくらいあるのか?恐らく数万のパゴダがあるのだろうが正確な数は分らないのではないか。ヤンゴンの北600Kmくらいの所にバガンという町がある。パゴダで有名な町である。この町を見渡せる丘の上のパゴダに上って見渡すと360度どこを向いてもパゴダがニョキニョキと立っている。その数2230あるのだそうだ。11〜13世紀にかけて作られ最盛期には4000を超えるパゴダが立っていたらしい。
では何のためにパゴダを建てるのか?仏陀を祭るためで、これはお寺も同じ。要は小乗仏教でいう徳を積むのが最大の目的なのだろう。昔は王様が建てたが、今では政府(軍)や金持ちが建てている。
大金持ちだけでなく、小金持ちでも寄進する人は多いと聞く。全額賄えなくても不足分は他の人からの寄付が何となく集まるらしいのだが詳しいことは定かでない。
これは新築だけでなく昔の壊れたものを修復しているの も多い。
 経済的に決して豊かでないミャンマー人がなぜこれほど寄付(徳を積む)に熱心なのか?次回このことに触れてみたい。
5寄進に熱心なミャンマー人
 タイもミャンマーも上部座仏教(小乗仏教)の国である。タイ語にはタンブン(寄進)という言葉がある。これ以外に寄付という別の言葉があるので寄進と寄付は違う概念なのだろう。タイ人もミャンマー人も共に寄進には熱心だ。強いて言えばミャンマー人の方がより一層熱心なように見える。
 寄進の中味は様々で何でもあり。お金は勿論、大きくはお寺、パゴダ、仏像に始まって花、果物、その他食べ物は何でもありと様々だ。珍しいところでは時計と発光ダイオード。時計はどういうわけかお寺やパゴダに行くとやたらと時計が掛かっている。全て寄進によるものである




  寄進箱の中にはお金が一杯 また仏像の後ろにあたかも後光が射しているようなものが取り付けられている。発光ダイオードを使ってネオンの手法で「後光」を演出している。
有難い仏様のバックでネオンの後光が点滅しているのは幻滅以外の何物でもないが、今流行の寄進なのであろう。それ以外にも何の為に付けたのだろうと首を傾げたくなる代物もある。何でもありで見ているだけでも楽しくなる。
 では寄進の目的は何か?貧しい庶民がせっせと寄進するのはどんな気持ちなのか?どうしても解らないのでしつこく、しつこくガイドに聞いた。


その結果大凡次のようなことらしい。
 寄進をするのは徳を積むため、徳を積むのは来世でより良いものへの生まれ変わりを願うため。
お寺やパゴダに行くのも寄進するのも徳を積むという点では同じこと。
要は「仏陀に思いを致す」ことが肝要。従って仏陀と心を通わすためには寄進の大小、高い安いなどは全く関係ない。寄進の額が小さいから恥ずかしいとか、あの人がいくらするから私もこれだけする、といった日本的発想とは無縁の世界のようだ。要は「気持ち」が全てで金額の大小、高い安いの問題ではない。夫々が出来る範囲でせっせと寄進をしているのである。



いや出来る範囲ギリギリまでする人の方が多いのだろう。だからガラクタ同然のお供えをしている人でも堂々としている。少なくとも卑屈な感じは全くしない。
豊かでなくてもこうした気持ちの安らぎがあれば精神的には豊かな暮らしといえるのではないか。アメリカナイズしてお金至上主義の国ではこうした精神的な安定は得られないのではないだろうか。
 豊かな人が貧しい人に恵むのもこの「気持ち」の表れで、恵んでもらった人は日本のように有難がったりお礼を言ったりはしない。

 「金持ちに徳を積む機会を与えてあげた」と考えているのかどうか分らないが、貰って当たり前といった顔をしている。この現象はミャンマーもタイも全く同じで、日本人にはなかなか理解出来ないことではないだろうか。
以上大変難しく微妙な問題なのでなかなか理解しずらいし、表現もしにくい。ニュアンスの欠片でもお感じ下されば望外の幸せです。
6ミャンマー人のおしゃれ
  ミャンマー女性は殆ど例外なしにタナカをしている。
タナカというのは日焼け止め兼おしゃれ表現で、頬に白い粉を塗っているのがそれである。見たことがない人には想像しにくいかも分らない。
 これは木の一種でそれを粒子の小さい粉にして水に溶かし顔に塗るのである。ただ白く塗っているだけの人も多いが、きれいな木の葉模様などを丹念に描いている人も若い人を中心に見掛ける。タナカはミャンマー女性にとっては最低限のたしなみのようで日本女性の化粧のようなものなのだろう。男性でもしている人はたまにいるが基本的には女性だけの習慣である。ミャンマー近隣の国でこのタナカの習慣を持っている国はないように思う。  

 タイでもミャンマーとの国境付近では見かけるがこれはタイへ物売りに来たミャンマー人であり、タイ人にはこの習慣は全くない。
これは日焼け止め効果はあると思うが近隣諸国に広まらなかったことと、見た目に決して綺麗とは思えないのでミャンマーが将来国際社会に復帰した暁には次第に消えて行く運命ではないどろうか?
 ではこのタナカにどれくらいのコストをかけているのだろうか?
いろいろと市場などで聞くと150円/月くらいらしい。給料が日本の100分の1くらいだから、日本ならさしずめ15000円くらいだろう。これは多いのか少ないのか?


・ミャンマー人は寒がり
 ミャンマーは暑い国だが冬の朝晩は結構冷える。それでも日本人や欧米人にとっては快適な気候で朝晩は少々肌寒いがTシャツで問題ない。ところミャンマー人はセーター、ダウンジャケット、毛皮のコートなどなど日本の冬支度そのものである。それだけ着込んでも寒い、寒いを連発し身を竦
めている。
 同様の現象はタイでも見られるもので、暑い国では体がそれに順応しているのだろう。しかしタイでは確かに寒さ防止のためでもあるが、冬以外は暑くて着れないコート類をこの時ばかりとおしゃれを決め込んでいる風がある。
ミャンマーではタイとのとの経済格差を考えれば純粋に防寒が目的でタイのようにおしゃれを決め込むほどのゆとりはないのかも知れない。
          
7 外国人価格
  お洒落なリゾートホテル アジアの国では外国人価格が存在するのは珍しくない。タイのように豊かな国でもまだ存在する。ミャンマーのような後進国では当然存在する。
@先ず交換レート
 ミャンマーの通貨はチャット(K)で、その他にドルが大きな顔をして流通している。だがこれの交換レートがはっきりしない。空港で両替したら$1=450K、これがガイドに両替を依頼すると$1=800K、ホテルで買い物をする時は$1=900Kだから空港の役人がいかに外国人からボッタクッテいるかお分り頂けよう。

Aレストランでのビール外国人は屋台ではなくちゃんとしたレストランで食事をする。屋台で食べた
ことが無いので詳しくは分らないが、途中で出会った日本人旅行客の話によると屋台ではビールの価格は25円くらいらしい。
ところがレストランでは最も安いのが190円、最も高いのが500円、平均で380円程度であった。380円というと彼等の給料の10分の1ですよ!何たる格差!B絵はがきホテルでは2枚で$1、町では20枚で$1できっちり10倍!Cお寺・パゴダの入場料ミャンマー人は無料、外国人は有料。カメラ持ち込み料も同様。
これなどはどこの国でもあることなので驚きはしない。
8 個人旅行
今回は車・ガイド付きの贅沢旅行だったので難しいことは一切なし。ただしもし個人旅行をすればという目で終始チェックしていた。最大の問題は足の確保であろう。例えばミャンマー第二の都市マンダレーの場合、空港から市内まで車で1時間くらい掛かる。やっかいなのはその足が無いことである。バス・タクシー・乗合タクシーどれも無い。レンタカーなど夢のまた夢。空港には確かにタクシーが停まっているが、これは誰かがチャーターして待機させているもので予約なしの客がタクシーを使おうとすれば、電話で呼ぶかタクシーのいる隣町まで相当の距離を歩くしかない。しかも暑い中を荷物を持ってですよ!
だから足は必ず事前に確保しておかなければならない。そうすると勢い旅行代理店のお世話になる羽目になる。
車の問題以外にどんな落とし穴があるのか大名旅行の我々には見当たらなかったが地方へ行けば医療問題なども考慮しておかなければならない。また安い宿では蚊、ムカデやヤモリ等の問題もありそうに思える。
でも案外案ずるよりは生むが易しなのかも分らないが・・・・。
事実ラオスでは貧乏旅行をしてきたが何の問題もなくスムーズな旅であった。
9病院へ駆け込んだ
 診療所の表看板 インレー湖の玄関口ヘーホー空港で家内の目にゴミが入り水で洗浄してもどうしても取れない。次第に痛みが増し機内では一層痛みが激しくなった。
たまたま日曜日だったので心配したが、幸い首都ヤンゴンに向かっていたのでヤンゴンなら何とかなるだろうと思っていた。空港到着後すぐガイドが病院を手配してくれて駆けつけた。病院は小さな診療所クラスの規模だったが医師が待機していてくれて、状況説明の後すぐに処置してくれ事なきを得た。
 聞くところによるとこの診療所は外国人向けに365日・24時間対応とのこと。
費用はその場で保険で処理してくれ、面倒な手続きは一切なし。その事務処理も全て医師が自ら行ったので聞いたら「今日は日曜日で秘書が休みなので私が処理するが通常は秘書がする」とのことであった。
ガイドに聞くとこのような対応はヤンゴンだから出来るのであって、ヤンゴン以外では無理とのこと。やはり発展途上国を旅するときはこのような危険性も計算しておかないといけない。
 因みにラオスでは首都ビエンチャンで偶然出くわした外務省ラオス駐在医務官なる人が「応急手当はするが簡単な病気以外はタイでの治療を薦める」と言っていた。タイは田舎は別として都市部では病気への対応はまずまず安心出来るレベルだ。特にバンコクやチェンマイでは日本語対応の病院もいくつかあり、全く心配ない。チェンマイ在住の日本人に聞いてもこの点は安心している。
10チップについて
インレー湖。独特の漁法 ヤンゴンでは最高級のニッコーロイヤルレークというJAL系列のホテルに泊まった。
到着してすぐ「ミャンマー旅行についてのお願い」なるペーパーが配られた。その中に「ボーイへのチップや枕銭は$1あげて下さい」と書いてある。この手の話は東南アジアへツアで行くとよくある話である。この$1なる金額がいかなる金額か考えて見たい。
 ミャンマーの給料は大い目に見て平均$40くらい。日本の給料を30万円くらいとすればミャンマーの$1は日本の7500円くらいの感覚であろう。こんな馬鹿げたチップを誰が出すと言うのか!?
しかもミャンマーに限らず東南アジアの国々ではもともとチップ社会ではなく、彼らへの給料は支払われている。その上法外なチップが入るとすればとんでもない高給取りになるのである。ホテルはそれを盾に給料を抑えようとしているのだろう。ホテルだけでなく旅行代理店も同様の要請を旅行者にしている。是はホテルの要望に応えて、少しでも点数を稼ごうとしているのであろうか。お人好しの日本人は100円くらいならどうってことはないと要請に唯々諾々と従っている。
こんなことをしているといずれホテルは従業員にろくろく給料を払わず、文句があればチップで稼げということになるのは必定。そうすれば次第しだいにあの鬱陶しい欧米のチップ社会になってしまうのは間違いない。
 我々はここまで考えてチップを出すべきではないか!チェンマイでも最近韓国人が大挙して押しかけチップの相場を吊り上げ今まで住んでいた日本人や欧州人が迷惑をしている。
こんな状態が続くとタイやアジア諸国もチップ社会に変貌してしまうのではないかと心配になる。
私の感覚が正常なのか?それとも私がケチでチップを弾む高給取り日本人の感覚が正常なのか?皆さんの感覚はどちらですか?
11  スーチーさんのこと
 綺麗なヤンゴンの街 最後にスーチーさんと軍事政権について触れておこう。
この問題はミャンマーではタブーで、最初にガイドから渡された注意書にも「スーチーさんの自宅にはご案内しておりません」とわざわざ断り書がしてあった。従ってガイドにも敢えて聞かなかったし、ガイドも一言も触れようとしなかった。これほど微妙な問題なのである。
 最終日にガイドに恐る恐る「答えられる範囲で聞かせて欲しい」と水を向けたらガイドも喋りたかったようで結構多くのことを喋ってくれた。バスという密室の中だから喋ってくれたのであろう。
以下はその概要である。

@スーチーさんは国民から尊敬の目で見られている。理由は・ミャンマーでは英雄のアウンサン将軍の娘である。
・彼女がやっていることに些かの私心もない。国の為を思ってやっている。
 しかし彼女に政権を委ねるかとなると、彼女の政治手腕は未知数だと感じ ている人が多いのでなかなか大きな流れにはなりにくいのではないか。
A軍事政権にはその強引な政権運営に反発している人が多い。軍の内部でも 反発している人は多い。しかし軍事政権でなくなると北部を中心に独立を 求める圧力が増すのは必至。それを押さえ込むためには軍事政権でもやむ を得ないのではないかと考える人が多いのも事実である。
ざっとこんな内容であった。さらに突っ込んで「軍事政権が続く限り国際的に孤立を余儀なくされるが、この点はどう思っているのか」と聞きたかったが流石にそこまでは突っ込めなかった。しっかりしたガイドだったので聞けばある程度の感触は掴めたのにと今になって少々残念に思う

このページトップへ      旅行記目次へ       関西HPトップへ