高雄通信

2014年
神原克収

目次


1.初の高雄ロングステイ 2.高雄のコンド 
3.高雄の不景気  4.囲碁交流 
5. 映画「KANO」を見た 6. 海鮮料理の注文
7. 偶然会った人との交流  8.台湾の金持ち
   
   
   
   
   
   
   

1.初の高雄ロングステイ
 過去台湾では台中と新竹でロングステイを経験した。今回は初めて高雄でのロングステイで、ロングステイクラブ(LSC)メンバー20人でのステイである。
今回も高雄の銀髪族協会(TARP)のお世話になることにした。高雄 TARP の組織は新竹ほど強固ではないが、幹事長の謝長峻さんが大変熱心に誘って下さったので高雄でのステイを決心した。
高雄に来て1週間過ぎたが、我々のサポートは謝幹事長が個人的な人脈を駆使して 6~7 人がボランティアで勤めていただいている。新竹とは違った持ち味で一生懸命歓迎して下さっていて、高雄でも謝々!謝々!の連続である。
これから暫く高雄での歓迎ぶりや雑感をレポートします。
参加者と高雄のサポーター
コンドの部屋からの写真 コンドの部屋から85ビルが見える
有名な景勝地蓮池譚 高雄市内を流れる愛河、よく整備されている
2.高雄のコンド
                               リビングは結構広い。NHK も入る。
 今回の宿泊先は MRT(地下鉄)の三多商圏駅前の高層ビルにある。部屋ごとに異なるオーナーから委託を受けた業者が管理している。そのため部屋の大きさは同じでも仕様が全て異なり、今回は抽選で部屋を決めた。
MRT 駅前にはそごう、三越、大遠百と 3 つのデパートがあり、立地は抜群に良い。
部屋もベッドルームが 2 つあり、リビングは広く快適そのもの。難点はキッチンが貧弱で部屋で料理をしたい人には不満が残る。でも外食文化の国なので外食で済ませる人には快適である。食事場所も徒歩圏内に沢山あり困ることはない。
下見に来た時に補充をお願いした機器も全て準備されていたし、入居後の不具合も即刻対応してくれ、信頼のおける業者である。
部屋代は光熱費、1 週間に 1 回のリネン交換を含めて一部屋 36,000 元/月(12 万円強)で内容からするとリーズナブルである。

食卓もこじんまりしていて使い良い。2 つの寝室が画面左上に見える。 キッチンが狭く貧弱なのが難点
水廻りは普通で特に問題はない 寝室はダブルベッドの部屋が 2 つあり、何かと便利。
3.高雄の不景気
 高雄に来てから知人から「高雄は不景気」と何回か聞かされた。でも街の風景からは「どこが不景気?」と感じていた。
昨日知人の大学教授が自分たちで起業した会社のオフィスを見せてくれた。そのオフィスは高雄で最も高い 85 ビル(85 階建て)にあり、そこで空室の多さにビックリ。日本には「シャッター通り」というのがあるが、まさに「シャッターオフィスビル」の様相。高雄のランドマークたる 85 ビルでこの惨状、「不景気」という言葉以上の衝撃を受けた。





                                           高雄のランドマーク「85 ビル」
オフィス棟の空室が目立つ 最近は中国大陸へ移転する会社が多いとのこと
右から 2 番目が教授、右端はそのゼミ生で大学院生 事務所の壁に来訪記念のサイン
4.囲碁交流
 私の趣味の一つに囲碁がある。高雄でも碁会所を探したが小学生を指導するための場所はあっても所謂碁会所は見つからない。聞いたら中央公園で毎日 14:30からやっていると教えてくれたので早速出掛けてみた。
圧倒的に年配の男性が多く、彼らの対局を立ち見していたら「打つか?」と言われ六段と称する人と打ってもらった。一般的に日本の段は世界的にみると「甘い」と言われているので、日本では三段で打っているがこの日は初段と言って打った。結果は4子置いて見事に負かされた。
後日同行の LSC 会員 S さん(日本では四段)も二段と称して 4 局打ち全勝し、「二段では強過ぎる」と言われたとのこと。この S さんと私はチョボチョボの力なので今後何段で打ったら良いか悩ましい。
公園の一角に簡単なテーブルとイス、それに碁盤・碁石がおいてあり誰でも自由に使えるようだ。S さんとはそこで勝手に机・椅子・碁盤を借用して 3 局楽しんだ。今回は時間不足でその後行けそうもないが、来年以降数回通えば顔見知りも出来て楽しめそう。
男性のみで圧倒的に年配者が多い
5 映画「KANO 」を見た
 今台湾 では映画「KANO」が大ヒット中だ。
この映画 は日本統治時代の昭和 8年 の甲子園 で嘉義 農林高校 (KANO)が準優勝 した史実 をもとに作成 された。
映画 を 通して流れてい るテーマ は日本民族、 漢民族、 原住民族の3民族の融和である。
私が見た映画館 は大遠百デパートにあり、 映写室は9 つでそのう ち7室をKANOの上映 に充て、何と30 分毎に上映 されるという という人気振り。
人気 の秘密 は台湾人の存在感 を示せたという矜持 であ ろう と思う。そして台湾 人にとって 日本統治時代が「 古き良き台湾」になりつつあ るせい ではないか、と密 かに思ってい る。これは反中感情の強い台湾南部の高雄 にいるから感じるのであ ろう か?

映画 の一場面( 座ってい ってい るのが弱小チーム を甲子園 準優勝 に導いた近藤 監督)
(この写真 はインターネットから借用 )

平日 にも拘わらず切符売り場 は長い列

あちこちにこのポスタ ーが貼られてい る
6 海鮮料理の注文
 高雄は海に面しているので海鮮料理が魅力である。その海鮮料理を高雄に来てすぐ食べに行った。550元/人(約1,900円)で大変美味しかった。並んでいる魚を見て、調理方法は掛かりの人に確認しながら注文する。魚2疋×2皿、海老小ザル1杯、サーモンの刺身(真に美味)、野菜炒め、焼き飯、麺をそれぞれ1皿の合計7皿、量的にも 4 人では食べ切れず海老は持ち帰った。大満足!
日本ではとてもこの値段では食べられない。しかしこちらの価格水準では少々高い。感覚的には400元/人と思っていたので、「んっ!?」。
台湾では料理を注文する際、値段のことは気にせずドンドン注文出来るが、海鮮料理だけは値段の確認をしながら注文する必要がありそう。その後何回か海鮮料理を食べたが殆ど同じ程度の料金。質量ともに大大満足因みに中華料理は屋台クラスなら腹いっぱい食べて 100~150 元(350~500 円)/人。レストランでも 300 元くらいが相場なのでやはり海鮮料理は高い。でも美味い。
魚は見て選ぶ   
   
これ以外に魚 2 匹を一皿注文、刺身は半分食べた後の写真、これを 4 人で食べた。  
   
 調理場風景  
7 偶然会った人との交流
  台湾でのロングステイの魅力は台湾の人々との交流である。今回も銀髪族協会のご尽力で色んな人たちとの交流を楽しめたが、それ以外にも偶然出会った人との交流も捨て難い。
本通信3でも紹介したが、2年前サイクリング中に道を尋ね、それをキッカケに続いているご縁を今回も楽しんだ(その人は当時大学助教授、現在教授)。今回は個人的にその家族全員と食事会をしたあと自宅(大学教授にしては豪華な家)に招かれ、家の中をくまなく見せて頂いた。
さらには別の日に LSC 参加者全員が旧製糖工場跡地利用の観光施設に案内してもらった。教授とそのゼミ大学院生とで日曜日を一日潰して案内してくれ、途中でジュース、アイスクリームを買ってくれ、更には昼食もご馳走してくれたが、流石にそこまでは甘えることが出来ず、ジュースのみ頂いてあとはこちらで払った。
それにしてもなんでそこまで親切にしてくれるのか? 未だに謎ながらこれが台湾の大きな魅力であることに変わりはない。

教授の自宅、右から2番目はご主人の母
教授(女性)、その主人(左)、一人娘と会食 製糖工場跡地利用の観光施設、広いので自転車で廻った  
護送車ではないよ、昔サトウキビを運んだが今は観光トロッコ LSC(ロングステイクラブ)の美女と教授(右から2番目)とゼミ大学院生(右端)
左に見える売店でアイスクリームを食べて一休み 昼食で食べた「カレーうどんマグロ入り」、マグロが沢山入っていて誠に美味
台湾の金持ち
 台湾の金持ちは大金持ちは底が知れないとよく聞く。その金持ちと会う機会があった。高雄銀髪協会の幹部の知り合いでネジメーカーの社長である。
東日本大震災に際しては個人で 200 万元(700 万円)、その人が主導する業界団体で 5,000 万元(1.7 億円)の義援金を送ってくれた人である。
翌日中国へ出張するという忙しい中、高雄 NO1 の歯科医(社長はインプラント用のネジを納入している)見学に立ち会ってくれ、更には昼食にも付き合ってくれた(勿論彼の奢り)。
彼は偉ぶる素振りは露ほども見せず、見た目だけでは金持ちと感じさせるものは全くない。話していても自信に満ち、落ち着いた物言いはするものの威圧感は感じさせない。
昨年新竹でもセブンイレブンの台湾統括会社社長が我々の集まりにひょっこり顔を出してくれ 30 分ほど付き合ってくれた。台湾ではかなりの地位と思うが、そんな雰囲気はあまり感じさせず気さくな物言いが印象的であった。
そう言えば役所の幹部や議員さんも実に気さくで偉ぶる素振りもない。国が変わるとこんなにも違うものか。 
 
歯科医での質疑応答(右端ネジメーカーの社長、
赤シャツ TARP 理事長,その右歯科医院長)
歯科医には子供専用フロアがあり、色々と工夫されていた
子供用治療台上の天井にはテレビがあり、アニメで子供の気を引く 子供用フロアの洗面所(低学年用と高学年用)とトイレ(親用と子供用)
記念撮影、台湾はどこへ行っても記念撮影は必ずする 昼食をご馳走になった由緒あるレストラン


このページトップへ  旅行記目次へ  関西HPトップへ