(2009年6月23日~7月23日)

                                  関本 修・美智代
 
09年3月中旬。 3月31日からバンクーバーへ2ケ月のステイに旅立つ前、ネットで楽天トラベルを見ていた所、
航空券が 【限定30名、6月出発 ヨーロッパキャンペーン \69,800-】とある。まえまえからチェコ共和国プラハを訪問したいと思っており、バンクーバーから帰国後約3週間後の出発だとちよっとキツイかな~との思案
の結果・・・思いきって航空券を購入する。 それと同時にホテルをネットで選び 6月23日の出発に備える。

チェックイン
どのガイドブックを見てもプラハは 空港からのタクシーは質が悪く利用しない方が良いと書いてあり 公共
交通機関が発達しているので それを利用するのがベターとある。 日本からヨーロッパへ行く便はたいがい
午前便で同日夜、到着であるが、幸い、安い航空券はCX(キャセイパシフィック)で18時に日本を出発、香
港経由ロンドンへ行き、そこからBA(ブリティシュエアウェイズ)でプラハへ10時55分の到着である・・・。
空港内で小額をチェコ通貨Kc(コルナ)に両替。【1Kc=\5.5 】その近くにあるi(インフォメーシヨン)で
バス、メトロ、トラム共通1日券を一人100Kcで購入 これを使い119番のバスでメトロA線のDEJVICKA駅へ行き そこからメトロに乗車MUZEUM駅でC線に乗り換え ステイ先のホテルがあるCHODOV(ホドフ)駅に着く。

プラハ・ルズィニェ国際空港 メトロ  ホドフ駅

地上に出、ネットで印刷したホテルの場所の地図を見るが、北も南も分からず 通りがかりの青年達にその地図
を見せ教えてもらう。なんと、駅前からホテルが見えている。スーツケースを押し約10分で到着。後で分かった事だが バス停もホテル横にあり一駅で1~2分である。徒歩だと5~7分位かかる。たまにはこういうスタイルのチェックインも良いものである。 13時前なのにチェックインを心よくしてくれカードキーを渡される。
9階建ての8階810号室である。 郊外にあるホテルなので近代的な建物である。ネットでこのホテルのクチコミを見た時、日本人が利用しないホテルなのだろう 日本人のクチコミはなかった。しかし 欧米人のクチコミを参考に選んだ甲斐が有りスリースター ホテルながら 設備もしっかり整っており部屋も奇麗。それに何より交通の便が良い。

部屋で少し休み、早速 MUZEUM駅のに行きバス、メトロ、トラム共通30日パス(1ケ月定期 )の購入に行く。
そこでは 当日券、1日券、3日券、5日券しか売っておらず ふたつ先のFLORENC(フロ-レンツ)駅に行けという。そこに行くと駅のは閉まっており、駅構内にある公共機関らしき事務所に行き そこで売り場を訪ねる。
中年女性に教えてもらうが見つからず、再び事務所に戻り教えを乞うと、その女性がボク達を連れ売り場へ案内
してくれた。(チェコの人も優しい)  30日パスを買うにはパスポートと本人の写真が入る。
 
☆☆☆
定期券売場 30日パス
                           
以前、ロンドンでもパスを買った事があったので、写真は日本から持参した。写真の大きさが分からないので敵
当な大きさに切り、窓口の女性に渡すと規定の寸法に切ってくれた。申請書類の書き方が分からず その都度女性に聞き何とか無事買うことが出来、料金を見てビックリ! 一人250Kcである。普通は550Kcと書いてある。
何故かと聞くと 女性は笑ってディスカウントと言う。そんなバカな・・・そのパスをよく見るとシニア料金と
ある。 二人分で手数料含め560Kcで購入する。1日券ですら100Kc, 3日券330Kc・・・(安すぎる)
そしてこのパスがのちのち 水戸黄門様の印籠のような役目を果たしてくれる事になる。購入後、ふと後ろを振り返ると凄い人数の行列である。窓口がひとつしか無いのでボク達がかなりの時間を費やしたのだろう・・・

石畳をあるく
プラハの主な観どころは ヴルタヴァ川に架かるカレル橋をメインに東側と西側に集中している。トラムにも乗
らず歩いて周る事も出来る。東側には 旧市街、新市街、ユダヤ人地区がある。なかでもカレル橋から旧市街広場へ行く狭い石畳の道には土産物屋やレストラン等が連なり観光客でごった返している。    
                              
共にカレル橋

ボク達はこの旧市街広場が気に入り 何度も訪れた。広場の西側にあるベンチに座り 前方に見えるティーン
教会、その横に建つゴルツ・キンスキー宮殿と石の鐘の家 左側には聖ミクラーシュ教会 右側に目を移すと
旧市庁舎、その塔の下にある天文時計。広場中央にはヤン・フス像 ベンチの後ろ側は大きな木陰になっており
そこにはオープンカフェがある。広場を時たま観光馬車も行き来きする。 この光景を見ていると、中世の時代に逆戻りした様な錯覚に陥る。 この広場は週末になるとイベントがもようされ屋台等が出る。特設舞台を作りコンサートやインド舞踊が開催された時もあった。

旧市街広場 ヤン・フス像 ティーン教会
旧市庁舎と時計台 聖ミクラーシュ教会

西側には 高台にプラハ城 その南側の丘はベトシーン公園がありここはケーブルカーでも登れる。頂上には、パリのエッフェル塔を摸した展望台や天文台、聖ヴァヴジネツ教会、それに鏡の迷路という面白い建物があり、
入場料を払い見学をした。この入場料というのが他の物価に比べると 結構高くつき、どこに入るのも入用にな
る。教会でさえも入場料を必要とするところがある。 プラハ城内には無料で入れるが、その中の施設(旧王宮、
黄金小路等々)に入場するには 一人350Kcがいる。ここで役立ったのが前述した黄門様の印籠こと30日パスである。これを見せると入場料がなんと半額になる。(シニア料金)先に書いた鏡の迷路しかり 国立博物館や
美術館等々、又、地方に行っても入場料が半額、ないし割引で入場できた。ちなみにプラハ動物園、(150Kc)と
その前に聳えるトロヤ城(120Kc)の入場料は ただ同然の1kcというからビックリである。 プラハ城からカレル橋へと下る長い石畳の坂道も両側共、土産物屋とレストランが建ち並び 眼下には旧市街の街並も望め風情
がある。ここも同様に観光客が多く歩いている。 カレル橋には似顔絵を描く人達や小物を売る人達、大道芸人
達が居りいつも混雑している。 一部分石畳の張り替え工事中の所もあり、それが余計に混雑を招いている。

カレル橋からプラハ城を望む プラハ城正門
国立博物館 内部 トロヤ城
プラハ城からカレル橋へ・・・ 鏡の迷路
                           
交通網
プラハのメトロは A.B.Cと3線ありMUZEUM(ムゼウム)駅でAとC線 MUSTEK(ムーステック)駅でAと
B線 FLORENC(フローレンツ)駅でBとC線が乗り換えできる。フローレンツ駅には長距離バスターミナルがある。長距離バスターミナルは 後4ケ所あるが主だった所へ行く便数はフローレンツには叶わない。 鉄道も
走っているが 地方へ行くには便数も少なく時間もかかり やはりバスが便利である。旧市街、新市街等ではトラムが活躍する。網の目のように走っており これに慣れるとそんなに歩く事無く 観光スポットに行ける。
停車駅のアナウンス、車内に電光掲示板がありよく分かる。メトロ、市内バスも同じである。


滞在ホテル
今回28泊ステイしたホテルは ユーロホテルプラハという。スリースター ホテルで2002年に開業、全204室
ある。部屋の広さは 広くもなく狭くもなく一般的である。インターネットも無料で接続でき 旧市街周辺にあるホテルと違い規模も大きく 週末になると大型バスで団体客がどっと押し寄せる。団体客はだいたい2泊位で
チェックアウトをする。個人客は4日位から1週間程度滞在するようだ。ブレックファーストのレストランの調理場に日本人風の中年女性がおられ気になっていた。チェックインして1週間たった頃 妻がその女性に話かけると『私はモンゴリア(モンゴル人)』だと言う。しかし片言の日本語がしゃべれ それにカタカナも書ける。お父さんが昔 日本で教師として数年滞在されていたらしい。そのお父さんに子供の頃教えてもらったのだそうだ。相撲の話をすると 朝青龍、白鵬も知っていてテレビで観ているとの事である。

ユーロホテル プラハ ホテル内
                                             
朝食時、毎回顔を合わせる女性二人連れの親子がいた。母親は70歳前後で上品な人達であった。メトロ ホドフ駅でもよく見かけ、目が合うと挨拶を交わした。スコットランドから来られたと言う。『美しい所ですね』
と応えるえると『でも、寒いわよ』と言われたのが印象的であった。この親子は1週間滞在し帰って行った。
このホテルのクラスでインターネットが無料で接続できるという事は大変良かった。おかげで ほぼ毎日、日本
とのメールが出来 写真も随時送れた。現役時代から今日まで 約20年間にわたり親交を深めている男性がいる。衣料卸の仕事をされている会社の社長であるが この人も旅行好きで 盆、正月の休暇には家族で海外旅行
をされる。年齢はボクより6歳若い。二代目社長で資産家でもある。こだわりを持っておられ 資産家のわりには安いツアー料金で有名ホテルに宿泊するのを基本とされている。ツアー会社泣かせの人である。この人が常
にメールをくれるのでホームシックにならずにすむ。グーグルアースでボク達の訪れた観光地の位置を送信して
くれたり、どこどこの観光地へ行き写真を送信して下さいとか 贅沢な注文もくる。ボク達の送信した写真も、キッチリ保存してくれており嬉しい事である。損得なしで親交してきた仲なので大事にしたい一人である。

長距離バスに乗って                        バタナサンさんと
地方へ行くには 主にフローレンツ・バスターミナルからの発車となる。ボク達が行った6ケ所のうち西ボヘミア地方のカルロヴィ・ヴァリ、 南ボヘミア地方のターボルとチェスキークルムロフ、中央ボヘミア地方のクトナー・ホラ、そして北モラヴィア地方のブルノの5ケ所はフローレンツからの発車であった。ただ、北ボヘミア地方の要塞の町 テレジーンはホレショヴィツェ・バスターミナルからの出発であった。
帰路のバスは全てプラハ着であるがフローレンツ・バスターミナルに戻ってきたのは2回で あとは 他に4ケ所あるバスターミナルへそれぞれ戻った。帰路の到着バスターミナルは プラハ行きの切符に書いてあり便利である。
バス運行会社によって運賃及び到着ターミナルが違ようである。どこのターミナルに戻ってもメトロの駅に連絡しているので戸惑うことはない。
チェコ第2の都市ブルノまではずっとハイウェーが続いており 約2時間30分で到着する。片道200Kcである。
バス会社により 女性のクルーがいて 新聞のサービス、コーヒ、ココアのサービスもある。勿論、座席指定の大型バスである。ブルノも トラム、市バスが走っており工業都市らしく街は大きい。旧市街も美しく、物価もプラハに比べると かなり安いように思える。
                        
                        



ブルノ旧市街 ブルノ  ドミニカン広場

カルロヴィ・ヴァリは温泉町で 幾つかのコロナーダ(飲泉所)がある。ここでは温泉水が飲め 温度も低いものから高いものまであり、高いもので70度超のものも飲むことができる。皆 コップを持参 もしくはコップを買い飲んでいる。 ボク達もその温泉水を口に含んだが鉄分が多くうまくはない。ここへは水着を持参して行き 温泉と温泉プールに入り楽しんだ。


クトナー・ホラは世界遺産の聖バルボラ大聖堂と聖母マリア教会があるが 思っていたほどの感激はなかった。
ここは バスターミナルから旧市街に入る道のりが遠く 苦労した思いでが残る。

聖バルボラ大聖堂 墓地教会
                                   
同じ世界遺産でも 町全体が世界遺産という チェスキー・クルムロフは本当に美しい町である。プラハからは
1日3便しか無い。 そのわりには人気度が高く 人が多数押し寄せるので、ここだけは数日前に予約のチケットを求め その際、リターンチケットも購入した。3時間少々かかり到着しただけの甲斐がある。
チェスキー・クルムロフ城も 何とも言えない趣がある。ここもツアー客が多く ここを見学してオーストリアへ入国するパターンなのだろう。その逆もあるかも知れない。

チェスキー・クルムロフ城 城内
                              
ターボルも こじんまりとした街で旧市街が美しい。ジシカ広場の下に昔、ワインやビールの醸造に使用されたと言う無数の地下道が掘られており そのツアーに参加した。これも結構楽しい。

ジシカ広場 地下道 ツアー
                                  
テレジーンへは ナチス、ドイツによる強制収容所を見に行ったが 本当に悲惨な傷痕が残っている。 1940年 一時は16万人からのユダヤ、チェコ、スロバキア人のレジスタンス達が収容されていたとか・・・
ここも 細い地下通路が無数に掘られていて 牢獄等がある。  この時 地下通路を歩いていたのはボク達だけで その当時の光景が蘇ってくるようで 気持ち悪さと恐ろしさに鳥肌がたった。

テレジーン  小要塞入口 地下  牢獄
                     
食べ物あれこれ 
ホテルのある メトロ ホドフ駅には3階建ての巨大なショッピングセンターがある。1Fがスーパーマーケットの【albert】と食品専門店。2F、3Fが専門店街である。あのH&MとかZARA等もある。 3Fの一角には
大きなフードコートもあり、ここはいつも地元の人で一杯である。その中にベトナム料理店があり、チェコ料理の合間によく食べた。数回通ううち 日本から来たと知ると料理人、売り子までが全員ボク達に話かけ相手をするようになった。郊外に来ると アジア系の人達が少ないせいかも知れない。外食をすると どうしても野菜の
摂取不足になる。そんな時、1Fにある【albert】でトマトや惣菜のサラダを買い ホテルへ持ち帰った。

ホドフ ショッピングセンター ショッピングセンター内
                        
チェコはまだまだ物価が安い。サラダ類は100gで約10~20Kc ハム類も種類が多くここはいつも客が混んでいる。100gで約10~25Kc 生ハムですら100g約35kcである。 ホテルの朝食で毎回ハムを食べているのに ついついビールの肴に買ってしまうこともあった。ヨーロッパは本当にハムが旨い。流石にビール消費国世界No,1
だけあり 缶ビールも安くメーカーにより異なるが 500mℓで12~24Kcである。レストランでもビールは安く同量が50Kc前後である。 バンクーバーでもそうであったが、ここチェコでも昼食を公園で摂り その後リンゴ
をほうばっている姿をよく見かける。リンゴといえば1Kgで20Kc前後である。チェコ料理はウインナーソーセージや鱒等々を酢で漬けた食べ物も結構多く これが意外に旨い。定番料理のカツレツはどこで食べても美味しいが ちょっと塩っ辛い。チェコ料理というのは 以前 どこかの記事で読んだことがあるが 総じて酸っぱい
か 塩辛いか 極端に甘いか それとも全く味が無いかという事に尽きると思う・・・・

ホスポダ(居酒屋)ポトレフェナー・フサ  豚のBBQ
                       
プラハ・フォトアルバム
ベルヴェデーレ宮殿 鉄道 プラハ本駅
旧新シナゴーク TV塔
市民会館 ダンシング・ビル
クレメンティヌム 聖ミクラシュー教会
Bfeynov修道院 ヴァルドシュティン宮殿
ロレッタ教会 プラハ城より眼下を望む
ドヴォルザーク博物館 ヴァーツラフ広場 聖ヴァーツラフの騎馬隊
ラピダリュム 国民劇場
ヴィシェフラド ベトシーン公園にある天文台
メトロ・ ムーステック駅周辺 メトロ・ アンディル駅周辺

その他 諸々
★ プラハ城内の トイレは無料であるが 他はどこも公衆トイレは有料である。1回 5~10Kc必要とする。
しかし 大型ショッピングセンター内は無料で使用できる。

★ この時期の天候は 朝は4時15分位から夜が明け 夜は10時頃に完全に暗くなる。気温は朝は15度前後、
日中は23~26度位で 曇っていれば20度前後の時もある。 ほぼ毎日、1回夕立ちが有り いつも折りたたみ
傘を持ち歩かねばならない状況であった。

★ メトロ、トラム、バス共通券のチケットは キオスク若しくは市内交通ので売っている。 メトロには自
動券売機が設置されている。トラム、バスも車内では買えないので事前にチケットを購入する必要がある。
チケット類は 1回券の乗り換え不可(メトロのみ乗換可)の18Kc券(30分間使用可) 乗り換え可の26Kc券(75分使用可)が有り 1日券、3日券、5日券もある。(いずれも刻印機に刻印してからの時間)たまにホーム
内、もしくは車内で検札がある。ボク達は1ケ月のステイ中 1回しか検札はなかったが1日に3回も検札にあった人もいるという。5日以上プラハに滞在されるようであれば ボク達のように定期券を購入される事をお勧め
する。 だだ少し 手間と時間がかかる。

自動券売機 左側ポールにつけてある トラムの刻印機
メトロの刻印機 一日券
 
★ 治安は ガイドブックによると プラハはスリが多く特にメトロ、トラム、バスの乗車時には気をつける事とある・・・が、最低限 どこの国にも滞在する時と同じような注意を はらっていればそれで充分である。西欧諸国に比べれば安全度は高いように思える。

ステイの総費用(30日間)
全て 二人分の費用です。
日本国内の交通費 土産等、個人差があり省略した。
チェコ通貨 1コルナ(Kc)は5.5円のレート換算。

  航空運賃(燃油サーチャージ・国内・海外諸税含) \ 203,850                 
  ホテル宿泊代金(28泊)             \ 115,500
  食費                      \ 88,000
  観光(入場料)                 \  8,410
  交通費                     \ 22,100
  その他 雑費                  \  2,520
 
        総合計               \ 440,380
 
                       2009/08/02 記

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